やましたさんちの玉手箱
ユフィの記事
連載
01 ワタミの宅食で11ヶ月頑張りました
02 ワタミの宅食でパートをした理由
03 世田谷地区進出の初出勤
04 安全な食事を安全にお届け
05 ワタミのまごころさんは身だしなみから
06 お試し5日間コース注文
07 お客様とのお付き合い/その1
08 お客様とのお付き合い/その2
09 お客様とのお付き合い/その3
10 雨が降ろうが、槍が降ろうが…
11 パート中のトラブルいろいろ
12 歳末のワタミは売り込みで多忙
13 大雪では自転車を押して配達
14 ワタミ最終章は 仲間との思い出
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ワタミの宅食でパート

04 安全な食事を安全にお届け

ワタミの説明書の彩りよい万菜

今ネットで「ワタミの宅食」のホームページを確認してみた。
「ワタミ」はすぐ出るけれど、「宅食」は別々に打たないと出てこない。
最初は「宅配」と打って配を消し、「食事」と打ってから事を消しての作業になった。
面倒くさいが、「ワタミタクショク」は1回で出てくるから、まだ浸透していないということか?

ユフィが始めた2011年の5月には「ワタミタクショク」だったが、12年の2月頃、テレビコマーシャルが始まって少ししてから「ワタミの宅食」に変更になったと思う。
ユフィが膝痛で止める寸前、エプロンや自転車・自動車の名前の変更が迫っていて、変更前の社名でしばらく続けていた覚えがあるので…。

「ワタミの宅食」のホームページでは、『毎日手づくり、毎日お届け、日替わり夕食宅配』と出ている。
そう、お弁当は毎日近県の弁当工場での手づくりが基本。
毎日手づくりで、特別製の弁当箱に詰め、急速冷却でのチルド(冷蔵)でお届けとなる。
毎日届く毎日違うお弁当

毎朝10時までには各出張所まで冷蔵車で運ばれ、出張所内の大きな冷蔵庫に収められる。
数の確認は一番大切なことで、多い分は何とかなっても、少ない場合は大騒ぎだ。
お約束したお弁当が、届けられなくなってしまうからだ。

弁当箱は急速冷蔵・レンジ調理が可能で、1個2000円と高価なため、回収は絶対条件になる。
6ヶ月後には、個数をきちんと確認する為、出るときと帰社後の数確認が記入制になったくらい。
配達員(まごころさん)1人が1個持ち帰りを忘れても、全国では1千万近くの損失につながるくらいなのだそうだ。

管理栄養士が考え、契約栽培の野菜類を使用、献立は500~1000種類以上、というこのお弁当。
おかずのみの「まごころおかず」、ごはんがセットになった「まごころ御膳」、ボリューム満点の「まごころ万采」と3種類ある。
価格もそれぞれが570円、540円、670円で、夕食のお弁当としては安いと思う。
ワタミのチラシ

季節感も考えられた献立で、カロリーや塩分、栄養バランスのとれた主采・副菜で、毎日日替わりというのだから、1人暮らし・男所帯・生活習慣病などの方々には、手軽で安心、安価なお弁当ということになる。

実際、ユフィが配達させていただいたお客様は、これらの条件に当てはまる方々が大半だった。
入会金/年会費/宅配料などの利用のための金額は無料のため、入るのも止めるのも自由。
お客様にはとても良い条件だが、配達する「まごころさん」にとってはあまり喜ばしいことではない。
急に「来週から要らない」と言われると、「何かお気に触ることでも…」と考えてしまうからだ。

まずは申し込みの段階でのトラブルも生じてしまう。
各出張所ではなく、九州の本部が全国から注文を受けるシステムの為、間違いが起こりやすかったのだ。
東京の地区をよく知らないスタッフが、受けた内容をFAXで各出張所に流す際、記入ミスなどが起きる。

実際ユフィも世田谷区なのに葛飾区の注文を受け、集金に行くのに電話で戸惑ってしまい、お客様のご不興を買ってしまった経験がある。
良くFAX用紙の内容と電話番号の局番の確認をしていれば、電話局番が違うのだから間違いに気づくことは出来たはずなのだが、お客様はワタミのシステムの説明では納得できなかった様子だ。

申し込みと、その対応、実際のお弁当の写真が欲しかったので、「やま玉管理人のサーヤ」が「一週間お試し」を注文することにした。電話ではなくもネットからの注文にしたので、ネット用の注文確認書が届いた。
ネット用の確認書

「2,3日うちに電話があるから、0120でも出てね」とサーヤは言うが、本社から電話があるのとではなく、まごころさんの携帯から電話があるのを、経験者の私はよく知っている。
「0120での電話に出ないのは、勧誘に決まっているから」で、携帯では配達が多いので必ず出るから大丈夫。

最近は新聞の折込広告が入ってこないので、お弁当の写真が欲しくても撮れない。
テレビCMがかなり増えているので、折込広告が必要なくなったらしい。
「テレビCMはお金が掛かる」と所長が言っていたが、丸2年の間に急成長を遂げたのだろう。

後続の宅配弁当も、私が辞める頃にはかなり色々と出始めていたのだが、冷凍を解凍したものが主で、「いつでも何処でも」というのがキャッチフレーズ。
手づくりでチルド方法の「ワタミタクショク」では、「いつでもどこでも」とはいかず、一週間前の水曜日までに集金・振込みなので、申し込みは更に前にしなければならない。

という訳で、思い立ったのが6月の終わり、29日に申し込んだから、7月5日までの集金ということになる。
7月7日の七夕に合わせた料理は、多分7月5日の金曜日になっているだろうから、残念だが間に合わなかった。

7月2日の火曜日に電話があり、その日の12時半頃に約束した。
サイトに乗せるので「写真を撮らせて」とお願いしたら、快く承知をしてくれたので一安心。
で、来てくれたのが60代の男性のまごころさん。
まえも後も重そうな宅配の自転車

私と入れ替わりくらいに入った人だと思う。見覚えがあったから、少し不安だったが、向こうは気づいていない様子。
娘がサイトに載せる必要で取る5日間と、思い込んでいるみたい。

03 世田谷地区進出の初出勤」で書いた配達地域の地図を持っていた。
この地域は、当時30代の屈強な若い男性の配達範囲だったから、私より少し早く辞めた彼の後任だろう。
ファイルに入ったコピーの地図

名刺の名前には覚えがないのだが、30代の彼は私と入れ違いに配達に出ていたから、時間帯も引き継いだのだろうと思う。
色々と資料も戴いたので、今後の連載は写真が沢山入ることになりそう。
名刺と領収書
個々のお客様との対応は、「まごころさん」との接触が主になる為、その人員の選定はかなり重要なことになる。
ユフィのように、東京・世田谷区への進出計画のはじめから関わり、きちんと研修まで丁寧に受けた人は2,3ヶ月の内に止めたりして少なくなり、お客様の増加に合わせての急募が増えて、面接・研修も直接各出張所で行うことが多くなっていった。
面接を、集配の少し落ち着く午後早い時間帯に行い、決まると1週間見習いとして実際に先輩に着いて回る。

なぜ、最初の人員が辞めてしまったかと言うと、根本的にこの『ワタミタクショクのシステム」が理解できていなかったことと、思ったより重労働で金銭的には報われないこと、だろうと思う。
初めから「お金のためにやるのなら、お勧めしません」と言われてはいても、労働時間と合わない仕事量は負担になってくる。

実際に働き出してみると、本部からのFAXでの注文書の処理、集金に関わる領収書などの煩雑な雑務、それに掛かる時間が思いの他長く、重い弁当箱の運搬とその処理法、数が増えていくことでこれらの問題は解決することなく、どんどん積み重なっていき、時間が思っていた以上にとられること、弁当の運搬のために腰や足に故障が起こすこと、続けられない要因が重なり、辞める人が半年の間に何人も居た。

40代の若い主婦2人は自家用車組だったが、1人は雑務で時間をとられることと配達区域内の複雑さに音をあげてのリタイア、もう1人は小学生のお子さんの急病のために辞めていった。
結局、子供も成長していて手が掛からない主婦、定年後の男性、余暇をもてあました1人暮らしの老男性、夫婦揃って働くことを選択した人、などが残った。

ユフィはもともと半分ボランティアのつもりだったから、煩雑な書類仕事も黙々とこなしたし、同じように最初から私と同じ意見で働いていた50代の女性は、人の分も快く引き受けて笑顔で車で回っていた。
大学生の息子と2人で早い時期から働いていた50代の女性は、とても小柄な体なので電動自転車が重く、その上弁当箱の重みに耐えかねて辞めることを決めたのだが、所長に説得されて事務のパートとして残ってくれた。
彼女は「配達のこと、弁当のこと、働くことの意味」も、よく分かっていてくれたから、皆の良い理解者として気遣ってくれたので、とても仕事がしやすくなった。

車組で60代の女性は、3ヶ月後くらいから助手として孫娘を時々連れてくるようになったが、重いものを運搬する為に腰痛になってしまったらしい。
後を繋いでくれる人が見つかって、1週間の見習いをきちんと終えてから辞めていった。
私も2ヶ月後くらいから腰に痛みを感じて、接骨院に通院しながらの仕事になってしまったが、朝一番に治療してもらい、湿布を張って簡単なコルセットで押さえ、フワフワと頼りない足元で地面を踏みしめながら、配達は1日も休まなかった。

だんだんお客様と会話する楽しみと、お届けするお弁当の重みを感じるようになっていたからだ、と思う。
「同じ地域に住むスタッフが、毎日手渡しでお届けします」を実感できていたし、お客様とのつながりも深くなりつつあったからではないか、と思う。

集金に来たまごころさんに、思わず「テレビでは女性の方が配達していましたよね」と言ってしまった。
「うちは男性が中心で、女性のまごころさんは居ません」と聞いて、「やはり女性には無理な仕事だったのかも」と思った。
女性のほうが決め細やかな応対は出来るのだけど…。
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