やましたさんちの玉手箱
ジャックの記事
連載
01 鹿島灘はまぐりのすき焼き
02 八重の故郷 会津若松の「こづゆ」
03 明石海峡 いかなごの釘煮
04 千葉・九十九里 太巻き寿司 銚子蛤と、ながらみ
05 能登の調味必需品 いしる
06 春のご飯 大根の菜飯(なめし)
07 あさりで深川丼 あさりご飯
08 もんじゃは ゆらゆら波の上
09 秋田 ハタハタをおいしく
10 ちぎっては投げ の ひっつみ汁
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食べ歩き 全国家庭料理47選

05 能登の調味必需品 いしる

『魚醤』といえば、タイのナンプラーが有名です。
日本にも魚醤があります。「日本の三大魚醤」といわれるもので、秋田の『しょっつる』、これはハタハタを使ったもの。香川の『いかなご』(食べ歩きの「03 明石海峡 いかなごの釘煮」でご紹介しています)、文字通りいかなごを使ったもの。そして能登地方で使われる『いしる』です。能登の海の特産品であるいかを使ったものです。
 一般にはいかのワタを2~3年かけて発酵させて作る、いかじょうゆのことです。

『いしる』 『いしり』 『よしる』 『わしる』 と、この地方だけでもこれだけの呼び方があるくらいですから、各家庭でも自宅用の調味料を作っているほど、家庭料理になじんでいる魚醤です。
 いしるは、水で割って煮汁とし、鍋のだしや煮物にします。また、刺し身のつけ汁にも使います。輪島地方では魚をいしるに漬けたものわ一夜干しにして、みやげ物として珍重されています。
 
 私が訪ねたのは珠洲郡内浦町。九十九湾の小木漁港が目の前、町には「いしる鍋」の看板が掛かっているように、町にとけこんだ調味料の雰囲気がただよいます。ここでは、調味料としての利用の数々を味わいました。料理自体に珍しさ伝統があるわけではないのですが、私たちの生活のいろいろな部分で、利用、活用出来そうな例を作っていただきました。
輪島地方ではまた、いかの代わりにイワシやサバを使ったいしるもあります。イワシはそのまま、サバはワタを使うそうで、かなり臭いも味もきついそうです。

『いしるの貝焼き』
能登地方では、店でいしる鍋にする場合、貝に具を入れて一人分を供します。
貝にいしる大1 酒大1~2 だし汁1カップを入れ、白菜、長ねぎ、しめじなどの季節の野菜に、えび、ほたて、いかなど手近な魚介を合わせます。貝の大きさによって、豆腐、白たきも入れます。


『いしるの炊き込みおにぎり』
もち米1 米1カップに、いしる大2 酒3で水加減して炊き、岩のり(乾)とごまをたっぷりまぜてにぎり、炭火で、または薄くごま油をひいたフライパンで焼きます。



『いしる鍋』
こんぶと、かつおだし6カップに、いしる0.6カップくらいの割合で。
いしるは、すき焼きのかくし味としていれてもおいしいとのこと。


『いかのいしり焼き』
生いかのワタをぬいて、酒で割ったいしりに漬けこみ焼く。
『山菜の一夜漬け』
これはさつまいもの茎と なすを酒で割ったいしりに漬ける。山菜なら、 なんでも。

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