やましたさんちの玉手箱
ジャックの記事
連載
01 鹿島灘はまぐりのすき焼き
02 八重の故郷 会津若松の「こづゆ」
03 明石海峡 いかなごの釘煮
04 千葉・九十九里 太巻き寿司 銚子蛤と、ながらみ
05 能登の調味必需品 いしる
06 春のご飯 大根の菜飯(なめし)
07 あさりで深川丼 あさりご飯
08 もんじゃは ゆらゆら波の上
09 秋田 ハタハタをおいしく
10 ちぎっては投げ の ひっつみ汁
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食べ歩き 全国家庭料理47選

03 明石海峡 いかなごの釘煮

 春の魚と言えば、字の通り魚に春と書いて、鰆。しかしそれより早く、二月下旬に解禁されるのが「いかなご漁」です。
 今年も2月23日に解禁となりました。通常は三月初旬から五月にかけてが適漁期。瀬戸内海北部から太平洋にかけて漁が始まります。このいかなごを使った郷土料理が「いかなごの釘煮」です。明石海峡沿いの各地ではこの時期、あちこちで販売されますし、各家庭でも、いかなごを煮るしょう油のかおりが漂うといいます。
 いかなごは一般にはこうなごと呼ばれる魚。体調7~10センチほど背が青く腹が銀白色という美しい魚で、水揚げされた魚はきらきら輝いています。
 この魚、元地元では一定の大きさ以上になると用途がなくなるので、比較的短期で漁が終わってしまうことも度々です。
 ちょうどこの頃、宮城県の南三陸沿岸の金華山周辺でも「春告魚」と呼ばれるこうなごが春の漁のトップを切ります。この地方では「めろうど」と呼ばれ体長もいかなごより一回り大きく、10~15センチくらいのものになります。
 めろうどは一夜干しされて、焼いて酒のつまみにされるのがしゅりゅう。めろうどはさらに北上して、北海道では秋にかけて成魚が獲れますが、これは「おおなご」と呼ばれます。

 いかなごは鮮度が落ちやすいので、加工は陸揚げされたその場で行われます。「干し」といわれる天日干しと、「新子」(しんこ)といわれる釜揚げ、そして釘煮と三種類の加工法がとられます。
 釘煮は、煮立てたしょう油たれの中に、一掴みずつのいかなごを入れていきます。この瞬間、まっすぐだったいかなごが、ピンと尾を立てて曲がるのです。煮上がったいかなごが茶色に、折れ釘に似ていることから、釘煮と呼ばれるようになりました。
 この釘煮、作る家庭や料理店で、しょう油だれが微妙に違うので、同じ釘煮はないといわれます。この地方ではどこの店でも味わえますが、赤穂市のそばやで「いかなごそぱ」があったのにちよっとびっくり。
 また、別の仕事で金沢を訪れたとき、地元のスーパーで販売しているのを見かけました。関西地方の方が北陸方面で生活することが多く、郷土の味を求める人が多いのか、と思った次第です。

陸上げ
いかなごいっぱい
一掴みずつ入れる
煮たった

材料 いかなご(生)2キロ しょう油400cc みりん200cc 酒200cc きざら400g しょうが150g

作り方
1 作ったたれをやく10分煮立たせた中に、いかなごを一掴みずつ入れる。
2 すべてのいかなごを入れてから中火で煮る。
3 汁がなくなる直前にもう一度強火にして汁をなくす。
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