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フランチスタイルのパン屋「ヴィロン」

直輸入の粉で焼くバケットが凄い

2003年に渋谷の東急本店前にできたパン屋さん「ヴィロン」は、老舗と呼ばれているのだとか。
10年以上繁盛しているからなのか、日本一美味しいフランスパンの店だからなのか?

渋谷育ちのユフィは、東急本店が建つ前の小学校があった時代からこの辺りには詳しい。
当然ヴィロンができた頃のことも、よく知っていた。
パリ郊外の製粉会社VIRONの粉に惚れこんだ人が、フランスと同じ味わいのパンを提供できる店作りを考えた結果できたという。

評判は当時凄いものがあり、特にバケットは当初は売り切れ続出
何回通っても手に入らず、ウィンドウに並んだ他のパンで諦めた経験がある。

落ち着いた赤を基調とした店構えは、やはりパリの雰囲気がいっぱい。
2階は「ブラッドリー」と呼ばれる食事のできる店になっていて、常に満席という繁盛店だ。

宮益坂下の「ゴントラン シェリエ」 渋谷店 初めての味のパンは、純粋のフランスパンというよりは、日本風の味わいをとり込んでいるのだが、一通りのパンは食べてみた。
だから、サーヤは以前から気になっていたこの店の味も見てみたくなった様子だ。

土日も営業している接骨院の通院を、会社帰りではなく休みの日に自転車で行く際に、通り道だしと、購入して来てくれたのがこの4品。
しっかりと人気のバケットも買ってきてくれた。

何十年か前、訪れたパリのバケットの味には忘れがたいものがあったのだが、流石にその味わいをまだ覚えているとは言い難い。
ただ、「外側はパリッと硬く、中はフワリと軟らかい」その絶妙な食べ心地は、まだ若かった食いしん坊のユフィの心をしっかりと捉えたのだが…。

湿気の多い日本では、劣化が早いのは仕方のない事で、本場の味は本場で味わうしかないと諦めてもいた。
それがレトロドールという粉で、しっかり再現されているのだとか。

「ゴントラン シェリエ」 のバケットでは失敗をしたが、「ヴィロン」ではきちんと「美味しい食べ方」の説明書が赤い袋に一緒に入って来るのだ。
サーヤが興奮気味に「ちょっと違うね」と嬉しそう
説明書

長い紙袋に入っていて、一緒に保存用のビニール袋が付いているのは同じ。
買った当日以外に食べる場合は、大きく切り分けてラップしてビニール袋に入れ、冷凍保存がベストだとある。
細くて長いバケット
バケット  350円   とにかく長くて細く硬いバケット

美味しく焼く方法も記されていて、親切丁寧この上ない。
日本一美味しいパン屋との評判も、「なるほどね」なのだ。
この店のバケットの外皮・クラストは、細長くてカッチリと硬いので、パン切包丁でも切るのに苦労するほどなのだが…。
切り分けて冷凍
冷凍用に切り分ける

ただし、少し薄切りにしてすぐに食した味わいは、クラストはパリパリに硬く、中はもっちりとして美味しかった。
後日冷凍を少しだけ解凍して焼いた味は、さらにカリカリが硬くて香ばしく、中はもちっとしっとりで、これぞバケットの味だった。

もう、大満足の一言で、その評判も頷けるのかも…。
他の3品も味わいは中々だったのだが、ともかくサイズが大きいのにびっくり。
比較のためにサーヤが手を入れて撮影したほど、そしてもちろん食べ応えも充分なのだ。
ただし比較的値段が高いのも特徴で、大きさからしたら「なるほど」なのだが…。

クロワッサン  350円  バターの香りの強く食べ応えも充分

何も入っていないクロワッサンでも、薄い層の重なりがしっかりとしていて、バターの風味が香ばしいのだから、「ブリオッシュ・プラリネ」のような菓子パンタイプだと、サーヤと半分ずつでもしっかりと満足できる。
サーヤの手よりも大きいくらいのボリュームだし、アーモンドの味わいが香ばしく嬉しい。

掌サイズ
ブリオッシュ・プラリネ  360円  アーモンドのクリーム入り  

サーヤとユフィが大好きなクルミ入りのパンなら、もう言うこと無しの味わいだ。
ハードタイプなのだが、バケットほどの硬さではないから、焼き立てなら言うことなし!
自転車で通院する際には、「お願いしたい味」ではあるのだ。
クルミのハードパン
コンプレ・ノアドゥミ  360円  ハードなクルミ入りのパン  

そして、2回目の自転車通院、しっかりと買ってきてくれた「ヴィロンのパン」。
もちろんバケットは入っていたけれど、バタールは見当たらなかったとか。
売り切れていたのか、ちょっと残念な感じも…。
包み袋と紙袋
赤いビニール袋とバケットの紙袋

早速、指示通りにバケットは冷凍し、その日のコーヒータイムに「焼き菓子」を味わった。
サクサクとした生地の上にパイ風のパン生地とクルミが乗っていて、お菓子と言うほどには甘くなく、丁度硬いケーキとクッキーの中間の味かな。
大きく焼いたものをカットして販売しているらしく、価格が一切れずつ違うらしい
四角い焼き菓子
焼き菓子  320円  甘すぎずコーヒーとの相性もぴったり

次の日の朝食は「パン・オ・ショコラ」、トーストすべきかどうかちょっと迷ってしまった。
軽くトーストした結果は、「焼かないほうが良かったみたい」とサーヤに言われてしまう。
何層にもとても軽く焼かれたパイ生地は、パラパラと食べるごとに崩れてこぼれるし、少ししか入っていないチョコレートは溶けかかっているし…。
パン・オ・ショコラ
パン・オ・ショコラ  350円   大きいけれどチョコは少量であまり甘くない

毎日購入できれば、それが「美味しくパンを食べる最良の方法」なのだが、現実には難しいのだから、2番手3番手の方法で食べるしかないのが現実。
ヴィロン渋谷店の2階では、朝9時から『朝食』が味わえるらしいのだが、連日行列ができるほどの人気らしいから、電車に乗って行くのもちょっと…。

パン1個が300円以上するのに、好きなパンが選べて、飲み物・ジャムやチョコに蜂蜜がいろいろ付くらしいので、価格的にも魅力なのだが、購入できる範囲に住んでいるだけでも満足すべきなのかな。
タルトレット
タルトレット  400円  ずっしりと重たいリンゴのタルト

バケットはお楽しみに取っておいての次の日の朝食は、「タルトレット」にした。
まるで小さなリンゴパイみたいな外見と味、軽く焼いて見たが正解、甘すぎずもたれない。
なにしろヴィロンのパンは、一つ一つがみんな大きくて食べ応えがあるのだが、その分ちょっと高めの価格になっているのは仕方ないよね。
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