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痛風になって 酒の肴が変わりました

 もう数年前のことです。
 10月の半ばの在る夜。(後で分かったのですが3時頃)突然左足の、内側のくるぶしに猛烈な痛みがあって、目が覚めました。その時は、チクッとした痛みのようだったので、何か虫に刺されたか、と思いました。起きて見たら、くるぶしが真っ赤にはれ上がっていました。薬箱を探して、とりあえず「虫刺され」の軟膏を塗って横になりましたが、痛みは少しも治まりません。結局、そのまま眠れずに朝。
 顔を洗いに洗面に行こうとしましたが、歩けません。しかたなく、ケンケンをして洗面まで、ところが痛くて、足が床に着けないのです。どこの医者に行こうかと考えて9時頃まで唸っていました。

 我が家のある町には、おばあちゃんが毎週ヘルパーさんと通っていた整形外科が50メートルほどのところに。100メートルほどある駅の向こうに内科医院が、さらに200メートル程の所にも内科が。ちなみにこの医院までの間に歯科医が3軒あります。
 とにかくいちばん近い形成外科へ。キューピーさんがおじさんになったみたいな、ちょっと愛嬌ある先生。足を見るなり独り言で“こりゃ、ツウフウだな”と。私、何のことか分かりません。先生はとりあえずレントゲン撮って見る、と用意。撮影終わって5分くらいで現像。“骨に異常はないですよ、ジャックさん、これはツウフウに間違いない”と、すぐに書棚から「痛風の手引き」という小冊子を持ってきてくれました。

 私はここで初めて「痛風」なるものを認識した次第でした。風が吹いても痛いという痛風ですが、風どころじゃない、何もしてなくてもとにかく痛い。先生は“痛風抑える薬飲むと、返って副作用で痛みが激しくなるので、痛み止めで痛み止めてから治療しよう。でも、ジャックさんの年齢で痛風になるのは、わりと珍しいですよ”とのたまわりました。
 痛風は比較的若い人が発症することが多いのだそうです。暴飲暴食も一因、20代~30代に多いのだそうです。幸い仕事がない日だったのでひたすらも痛みが治まるのを待つだけの一日。仕事は2~3日休むことに。ただ困ったのは3日後に実家の義兄の法事があること。歩いて行けるものやら。

 サーヤが帰ってきて事情を聞いて食事前にネットで、痛風のこといろいろ調べてくれました。冊子を読んであらかたのことは分かっていましたが、いわゆる「プリン体」が多く含まれた食品の一覧をみて、“ははあ、俺は喰ってるな”というのが第一印象。

 ここでは痛風の発作が起きる原因は詳しく書きませんが、プリン体が体内にたまって尿酸値が高まると、主に関節に激しい痛みを伴った炎症を起こすのです。別にうまいもの喰ってるわけではないのですが、最も思い当たったのは「干物」類。まずは酒の肴には欠かせないもの。隔日くらいには食べていました。「納豆」しかり。「ビール」は他の酒類の10倍以上のプリン体といいますが、私はせいぜい缶ビール半分、これが原因とは思えませんでした。
 もう一つ思いたったのが水を飲むことが少ないこと。朝食でトマトジュースか、寒い時はスープを飲んで、昼は仕事のときは熱いお茶一杯、家に居る時はビールと常温酒、取材で地方に行く時は喉が渇けば缶ビールか缶のウイスキー水割りと、純粋の水を飲むことはほとんどありません。

 後でいろいろ知識を得ましたが、プリン体は体内で作られるのが80パーセントで、食品から取られるのは20パーセント程度と言われます。そういえば、時々仕事場を訪ねてくれる長兄と食事をする時、兄は痛風が出るといけないからビールはグラス一杯と言っていました。また、カズン兄とその上の兄も30代の時痛風を患っていました。どうやら、体内プリン体製造工場は家族共通だったのですね。長兄は節制のおかげで発作が出ることはなかったようです。

痛風
※匂いにつられてマサムネが覗き込んでます(写真上)
今は昔 ジャックが酒の肴にしていたプリン体だらけの晩餐メニュー
 数年間口にしていなかった肴、久しぶりの復刻

左上から 瓶詰めの焼きくさや(新島産) スーパードライ缶ビール イカのワタのホイル焼き アジの干物 エビのマヨネーズ炒め アサリの酒蒸し イカとカツオと明太子の刺し身 サンマの丸干し(千葉・九十九里産) 納豆
 こうして見ると、ぜんぜん贅沢なもの喰ってる風には見えません。むしろ粗食。あえて言うと「旨み」のあるものを選んでいたようです。

 そして、酒の肴の選択が始まりました。ユフィは大変です。いままでは「干物」と「納豆」を出しておけば何も言わずに機嫌よく酒を飲んでいたのに、変わるものを考えなければならなくなったのですから。
 我が家の夕食は、肉プラスのユフィ&サーヤと魚プラスのジャックなので、いつも複数の主菜が出ます、栄養バランスは問題ないのですが、「まず酒の肴」の干物と納豆がなくなっては、ちょっと箸が進みません。

 私は豆が好き、空豆の出始めの4月から、少しの間重なる期間を含め、枝豆がなくなる9月までを除いての期間、塩茹での青豆が登場するようになりました。時々、茹でピーナッツも出ます。
 干物の代わりには、ハンペン、チクワ、ソーセージなどが登場しましたが、なかなかレギュラーを奪うまでにはなりません。
 ビールに関しては、高校の同級生、今も定期的飲み会で葛飾で酒屋を営む友人に聞いたところ“プリン体カットの缶ビールがあるよ、結構買う人がいるから、あんたと同じような心配の人、いるんだろうね”とのことで早速。でも、これ、近くのコンビニや酒屋には置いてなくて、格安販売の店から日本酒と一緒にデリバリーで取ることに、いつもの酒屋はつまみ程度のつきあいになってしまっています。

 ところで、干物に代わるもの、最近は「さつま揚げ」が私には人気です。ユフィがいろいろ探してくれるのですが、結構変わったものがあるのが分かってきました。以前ではこんなもの、探しもしなかったろうと思うのですが。

痛風 
最近お好みのさつま揚げ 上は島根・境港産のいわし天、焼いてショウガでいただく
 下は長崎産のはも天、こちらはそのままワサビでいただきます
 ちなみに、鹿児島が主な産地だったことからから、関東ではさつま揚げと呼んでいます  が、関西、九州では単に天ぷらといいます。宮崎の飫肥(おび)天、愛媛のじゃこ天など  が有名です。本場鹿児島では、つけ揚げといいます。

 ところで、肝心の身体の中のプリン体。月一度の処方箋をもらい、徐々に尿酸値が下がってきて、最近の検査では、6.9とギリギリでセーフの状態。 
 毎日の夕食では大き目のグラスに麦茶がいっぱい、食べ終わるまでに全部飲むこと、として出されるのですが、これが飲みきれない。ビール飲んで、お酒飲んで、お腹いっぱい。ユフィは“ビールもお酒も水じゃありませんよ”て言うんだけどね。

   
最近の我が家の食卓、サーヤは家庭内断食のため、これはジャックとユフィ二人分。
左上から キャベツと大葉の即席漬け 豚肉とピーマン、ナスの味噌炒め 鶏胸肉とミョウガのサラダ マグロの刺し身・生ワカメ添え 枝豆に プリン体85%オフの缶ビール

 以来、現在でも尿酸値を上げないように、毎月内科に通って『ザイロリック錠100』なる薬を毎晩飲酒、じゃなかった、夕食で出される麦茶をいくらか残して、ごっくんしています。
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