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母の遺言は金ぴか霊柩車 

母の希みは金ぴかの祭壇と霊柩車

母は若い内から冠婚葬祭用の互助会に入っていて、もう20年以上前に完済していた。
利子が付いて1/4位は賄えた。住んでいた区にこの互助会の葬儀会館が新築されて3年目。
ここを希望して一切取り仕切ってもらった。

街中で便利ではあるけれど、建築前の約束で金ぴかの霊柩車の出入りは出来ないとのこと。
仕方なく黒い霊柩車にしてもらう。
母に聞いていた生前の希望「そりゃあ、金ぴかがいいに決まっている」とのことだったが、これで1つ目は駄目。
もう一つの希望・昔からの祭壇も、これは私達の「母のイメージと合わない」からと変更。

葬儀

とてもお洒落で綺麗だった母には、昔ながらの祭壇は似合わないと判断。
花で埋められた花祭壇をお願いした。
希望の花を選べるし、形もある程度は決められる。
白を基調に薄い青や紫、淡いピンクとで作ってもらった祭壇に家族は満足できた。
遺影も雰囲気ぴったりで、母らしい良い葬儀にもなったし、親族も納得してくれてホッとした。

母は13人きょうだいの10女、親族の最後の葬式になった。
80歳近い甥や姪で、うるさいことを言う年寄りはもういない。
母の希望を知っているのは私だけ。
生きている人たちが満足なら、それが一番だと思う。
親不孝ではないでしょ?
大好きだった花に埋もれて、皆に見守られて逝ったのだから。


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