やましたさんちの玉手箱
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冬厳しけれど春は遠からじ

椿2輪の日本画風
部屋の椿は凛としてしかも優しい

ツバキの花は「木偏に春」と書くから、咲く時期は春なのだろうか。
リサーチでは「花期は冬から春にかけてまたがる」とあるが、早咲きのものは冬の最中に咲くとのこと。

ただし、椿の字は春に咲く花という意味の日本で作り出された字で、古語である「艶葉木・つやはき」から来ているらしい。
葉が緑で濃く、光沢があって光っている、という意味とか、別説に「厚葉木」「強葉木」も。

サザンカと間違えられることが多いのは、花期が近く姿形も似ているかららしい。
花色も多く、また「覆輪」や「絞り」などの複雑な色合いや形もあって、とても楽しめる花でもあるようだ。

咲き方も、一重咲きには「猪口咲き」「筒咲き」「椀咲き」、八重咲きには「千重咲き」「蓮華咲き」「獅子咲き」等々とても多い。
中には大きさが13cmを超える花もあって、見応え充分でもある。

絵の写真は「日本画風」だが、この絵の元となった水彩画もあるはずなのに、なぜか見つからない。
比べてみることができないのだが、存在感はこの絵には適わなかったように思う。
全く「どのような趣の絵」だったのか、記憶に無いのだから…。

多分「ひっそりと静かな椿の花が二輪並んでいる」だけだったのかも。
花の大きさも4~5cm程度と小さく、ひっそりと静かな趣だっただろう。

「日本画風に描き変え」の際に、先生がバックの色を銀を混ぜたグレイに指定、花色の「真紅と白と薄紅色の混じった状態」を際立たせる方法をとったようだ。

色彩だけではなく、花の形も同じ一重で花弁は五枚なのだが、赤は筒咲きに近く花芯が半分覗き、ピンクの方は全開ではないが開いた形状だ。

真紅の花、は花びらの中と外で色分けをしている。
花芯に近い部分は濃く、花びらの先は薄いろに塗り分けているし、花びらの裏側には白を薄く刷くように塗っているので、立体感が出ているようだ。
椿は全開しないものが多いため、ガクと呼ぶ花弁や子房を包み込むものが目立つのだが、この部分にも紅をほんの少しさして、立体感を出しているようだ。

ピンクの花は、紅よりは開いているので、ガクは少ししか見えていないが、こちらには黄を少し効かせて若々しさを強調している。
花糸と呼ばれる「椿特有の花芯」は、白く細いのだが、先の花粉の部分は花色に準じて黄色の濃さが違っているし、また太さも長さも違う。
 
葉の色は見た目には異なっていたかも知れないが、絵の中では統一して同じ色合いで色むらなどもない。
わずかに反り返った葉裏に、すこし白を刷いているだけ。
葉の全体に目立たないのだが小さなギザギザが描かれていて、細かいこと細かてこと。
白い画用紙に書かれた元絵とは、ピンクの花などは際立って目立つようになったはずだ。

この2つの椿は、ご近所で見つけた花だったと思うのだが、古いお宅が姿を消していくこともあって、どこのお宅かは今では分からない。
椿屋敷的なお宅が何件かあり、ほんの少しのお菓子を携えて訪れ、何本か手折らせてもらったこともあったっけ。
紅色の椿

写真は最近のものなので、同じ花かどうかは分からない。
自宅の庭の古い鉢の椿が、どうも紅いろの椿に酷似しているから、自家製だった可能性も高い。
ピンクの椿

1月12日・2月14日・12月10日の誕生花とされていて、花言葉は「贅沢・お洒落・至上の愛らしさ・謙遜の美徳」だそうだ。
全国各地に様々な種類の椿が存在し、特に「藪椿」「雪椿」は現在の椿の原型として有名で、絵の椿によく似ているようだ。

他に「椿の絵」としては、大輪の油絵も描いたことがあるのだが、あまり得意ではなかったために出すことは無いので、気が向いたらご紹介するかも…。
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