やましたさんちの玉手箱
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ヒイラギか、千両か、冬の赤い実は同じに見える

緑の葉と赤い実の絵
実物通りの写生なのに、どうして?

薄いペンシルのサインは、98.12.25となっていてるから、既に17年も前の絵ということになる。
多分、習い始めた年の暮れのことなのだろう。

日付から言ったらクリスマスの日だから、ヒイラギでもおかしくはない。
しかし、これは覚えている限りでは、千両の葉と実を写生したものなのだ。
寸分違わず写したはずなのに、出来上がった絵は、なんだかヒイラギ風。

冬になると赤い実が美しく、濃い緑の葉と葉の縁がギザギザは同じ。
ただし、ヒイラギの葉の縁はトゲトゲしく尖っているが、千両の葉には棘はない。

共に常緑で赤い実をつけることから、昔から大切にされてきた植物であることは同じようだ。
ヒイラギは、ヨーロッパでは古代のキリスト教以前からの聖木とされてきた。
またキリスト教では、棘のある葉や赤い実が「キリストの流した血と苦悩を表わす」とされているようだし、クリスマス中に悪魔や妖精が悪いことをしないよう飾られるらしい。

一方の千両は、お正月に飾られる縁起物の植物として珍重されてきた。
花言葉木は「利益・可憐・富・財産・恵まれた才能・富貴」等で、めでたさは100%。
正月用の活け花

実際に両方を比べてみると、葉の厚みや照り、形状に違いがはっきりと現れているし、実もどうもヒイラギの方が大きいようだ。
このヒイラギには、西洋ヒイラギとは別種の和のヒイラギがあり、和のものは葉は似ているが実は核果で、花が冬に咲き夏に暗紫色に熟すらしい。

古くから邪鬼の侵入を防ぐと信じられていて、表鬼門・北東に柊、裏鬼門・南西に南天の木を植えることが良いとされているようだ。
常緑であるヒイラギの葉の棘が、洋の東西を問わずに大切にされてきたと言うことらか。

ネットで「ヒイラギの花の写真」をリサーチしていたら、なんとユフィの絵とそっくりのものがあり、『あ、ヒイラギと間違えて撮影したんだな』と嬉しくなった。
が、さすがに名前は『センリョウ』となっていて、うわあ、残念!

よく見ていると、違いが分かってくる。
葉がヒイラギほどには短くなく長め、艶がなくギザギザの切込みが細かくてはっきりしている。
このギザギザをはっきりさせ過ぎたことが、間違いの元かも知れない。
写真のセンリョウに比べると、葉の色も濃い緑に塗りすぎたのかも…。
千両

ちなみに『千両』の仲間には、「百両」「十両」「一両」と言う名の植物もあるそうな。
だんだんと実の数が少なくなっていくのだろうが、なんだか面白い。

『万両』は別科の植物で、実が多くつくことから名づけられたとのこと。
この万両は、下向きに実を付けるところが全く違っている。
万両の実

何はともあれ、冬の実であることは間違いは無い。
12月は『ヒイラギ』で、1月は『千両』で、このまま行っちゃおう
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