やましたさんちの玉手箱
ユフィの記事
読切
TOP > 外出 > お出かけ

岩合光昭写真展「ふるさとのねこ」 ヒカリエで観た

津軽の四季「日本のふるさとのねこ」達に会う

丁度2年前の夏、通行中に偶然気付いた「空飛ぶネコのポスター」。
すぐ訪れて観た岩合光昭写真展は、飼い始めたばかりの猫の写真から始まり、世界中のネコ達が集合した、とても大規模な写真展だった。

今回はサーヤに教えられていたのだが、なにしろ例年に無い猛暑続きの夏で、電車に乗ったら5分の渋谷にも出かける気力が湧かない。
「渋谷大改造中」のため、ヒカリエまで歩くのに、電車に乗っているより大幅に時間が掛るし、地下街を通るのも面倒くさいのだ。

8月の下旬、真夏からいきなりの秋への移行で、かなり涼しい日が続いた金曜日に、重い腰を上げて出かけることにした。
渋谷からヒカリエまでは地下通路は通らずに、昔から通い慣れた連絡通路から、直接入ることにする。

前の写真展では、この連絡通路に入る前から『空飛ぶネコのポスター』が沢山並んでいたのだが、今回は全くのゼロ。
「新しい渋谷の予想ポスター」で埋め尽くされ、賑やかだが趣の無い状態でいやだ。
通路のパネル

ヒカリエに入る入り口の窓前に、『ふるさとのネコ』の7つのパネルが並べられていて、間違いなく写真展はここで開催中と伝えている。
通路のパネル

通路のパネル
このパネルだけでもすごく雰囲気は伝わって来る、特に青リンゴの上に仰向けに寝る姿が印象に残った。
通路のパネル

通路のパネル

通路のパネル

ともかく、エレベーターで9階の会場に向かう。
この前は8階の大きなホール開催だったし、エレベーター前の廊下からネコの足
跡が始まったりして雰囲気があったのだが、今回はパネルだけでずっと控えめ。
ホール入り口のパネル

奥まった小さなホールでの展覧会は、8月末の会期終盤で混んでいないのがユフ
ィには嬉しかった。
入り口近くのパネルと同じ、子ネコの顔を象った切符を購入して入る。
切符

まずは入り口付近で「りんご農園のネコ達の相関図」を見る。
「オオトラ」の子が「コトラ」で、今回の主役の5匹の子ネコの母親だ。
近くの農園のネコ達や、同じりんご農園の小屋で生活しているネコ達の名前も書かれているが、ザッと観ただけでは頭には入らない。

この初夏のNHK特別放送『ふるさとのネコ』特集は、しっかり見ていたので5匹の子ネコと母ネコのコトラはよく覚えている。
おばあちゃんネコがオオトラという名なのは始めて知ったけど、おばあちゃんと言ってもまだ3歳くらいで、ひと月遅れで子ネコを生んでいるから、もう子ネコだらけの写真展と言うこと。

春夏秋冬の順で展示されていて、最初はいきなりの「雪の中のネコ達」だった。
厳しい自然の中、「北国の猫の逞しさ」が画面いっぱいに描写されている。
そして、梅と桃と桜が一緒に咲く春爛漫の中のネコ達から、薄紅をさした白いリンゴの花が満開のリンゴ農園に…。

そして5月のある日、コトラに5匹の子ネコが誕生する。
トラネコが4匹で白ネコが1匹、ある程度成長するまではいつも一緒の仲良し。
トラ模様と呼ぶべきか、キジネコと言うべきか、岩合さんが地球上で最も多いネコの毛模様と言っているから、一番目にする色柄なのだろう。

我が家のマサムネ君は、茶の母ネコとグレイの父ネコの間のアメリカンショートヘアで、全体に少し茶も入っているような濃い黒と白の模様だ。
この子ネコ達には、額のM模様と首周りの太い輪、シッポの輪の模様がアメリカンショートへアの特徴が出ている。

特に「リッキー」と名づけられた主役級の雄ネコは、腹から背中にかけての模様がしっかりと出ていて、尾は曲がっているからすごく見つけやすい。
テレビ放送でもこの子は目立っていたから、良く覚えている

出口にあったパンフレットの写真がお土産になったのだが、青空の下、雪の残る山をバッグに、花咲く野原を行く4匹の子ネコの写真は、『どうやって撮った』とサーヤとジャックに言わせた奇跡的な一枚だ。
野原を行くネコたち

2匹目の子がリッキーなのは、縞模様が違っていて尾が短いからすぐ分かる。
最後に白く小さく見えているのが、5匹目の白い子。

しっかり食べてしっかり遊んだ夏が過ぎて、リンゴが実り赤くなる頃には、リッキーは逞しく成長して、同じ年代のネコのボス的存在になっていたらしい。
パンフレットの表面では、リンゴの木の祠の中で、鋭い視線を外に向けている雄ネコの雰囲気が良く捉えられている。
りんごの樹のリッキー

そして津軽に冬が来て、雪が一面に積もる真っ白な世界。
小屋の屋根やリンゴ園の中を、元気一杯に駆け回るネコ。
寒い冬の間、小屋の中で身を寄せ合っているネコ達。
最初の雪景色の中のネコ達と同様、津軽のリンゴ園のネコ達も北国生まれの強さを見せてくれている。

そして、最後の大きなパネル写真が、とても印象に残ったのだ。
『早春の野原の小川、バックには青い空と雪を残した山、誕生して1年近くのネコが川を飛び越える瞬間、対岸の蕗の薹がいっぱいの土手には、丸くうずくまったネコが、それを眺めている情景』

「どうしてこんな瞬間を切り取れるのか?」
魔術師みたいな技術に、もうただ感服する以外に無い。
そう思いながらホールを出ると、廊下の壁いっぱいの写真写真写真、来場者達の我が家のネコの写真が、いっぱいに貼られていた。
我が家のネコ写真

月1回の「世界ネコ歩き」は、カレンダーに印をつけて楽しみにしているが、その間にもBSで時折再放送が流れることがある。
映像も楽しいけれど、じっくりと眺められる写真展は「また特別なもの」という感じがする。
▲ページTOP