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出産祝いに浴衣地一反と三尺帯のセット

浴衣と甚平さんを作りました

かなり昔の話になるが、サーヤが生まれた時のこと。
アルバムやベビー服などの出産祝いの品々の中で、一際目立っていた贈り物。
それはコットンリップルの浴衣地一反と、薄い絹の三尺帯(兵児帯)のセット。
赤地に黄色と紺の梅の花模様が愛らしく、三尺の赤と黄色の大柄の花模様がマッチした、飛びぬけて目立つお祝い品だった。

贈り主はジャックの仕事先のフリーライター。
日常でも仕事場でも、和服で通していた人で、いかにも「彼らしい贈り物」と、ジャックが言っていたのを覚えている。
和服に詳しい人でなければ、このような出産祝いは思いつかないのだから。

ユフィはドレスメーカー出なので洋裁はもちろんのこと、和裁も好きで習っていてジャックの絣の袷も縫っていたほどだから、我が家にぴったりの贈り物だったことになる。
1歳頃から作り始めた、と思う。
和服は、成長に合わせて「肩上げ・腰上げ」で調節可能な便利なもの。
一反の生地から、4、5歳まで着られる浴衣と、ちっちゃな2歳児用の甚平とパンツを作った。
自宅前での花火に浴衣で

コットンサッカー(リップル)という生地は、「シアサッカー」が正式名称で、縦に縞状のしぼが入った生地。
肌に直接生地が当らないので風通しがよく、涼しいのが特徴。
汗かきの子供の浴衣地には最適で、小さな子供向きの浴衣は殆どがこのリップル地。
綿生地と違って、皺になりにくいと言う理由もあるのだろう。

でこぼこした様々な模様があり、戴いた浴衣地は小さな水玉模様だったと記憶している。
三尺は子供用の兵児帯の呼び名、赤地に黄色の絞り染めの花がデザインされたもの、絹というところが贈り主のセンスの良いところ。
これが安っぽいナイロン製などでは、がっかりしてしまうところだが、さすがにファッション関係の贈り主、違うなと思った。

甚平は浴衣よりくだけた室内着で、湯上りなどにはふさわしい。
海水浴の水着の上にも着せていた。
洗うのも簡単で、すぐ乾くのが嬉しい。
湯上りに赤い甚平、嬉しそうな笑顔

ネットでリサーチしてみると、金魚・花火・さくらんぼ・水玉などの模様の生地が、たくさん出ていた。
と、言っても殆どが洋裁生地で、和裁用の一反ものは見当たらない。
ネットで洋裁生地が買えるのか、と感無量になってしまった。
サーヤでも母でも、洋服を作るときには、渋谷の生地屋(ドレスメーカー在籍時代から通っていた丸南)で、あれこれ相談しながら探したものだったが…。

子供用の浴衣などは、ナイロン製のプチへこ帯が付いて、2000円しないのだから、買ったほうが早い。
甚平に至っては、1000円しないで手に入る。
手作りの時代は、昔話にでもなりそうな気がしてくる。
人とは違うものを求めるなら、手作りが最高ではあるのだけれど…。

下駄だってネットで買えば簡単で安いし、幼稚園や保育園で浴衣を着る機会があっても、ゴム草履でも間に合うわけで、なんだか淋しいけれど、まったく着ないよりは気分的にもちょっと楽しめてよいのかも知れない。

サーヤは生まれてから1歳過ぎまで、どちらかと言うと女の子っぽくなかったので、ピンクや赤い服は身に着けたことがない。
初めての赤が浴衣と甚平。
意外と可愛かったので、嬉しかったことを覚えている。
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