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大施餓鬼会に出席-後編-

暑くてながーい盛りだくさんな法要

いつもの駐車スペースに、大きなテントを張っての臨時の食事どころ。
もうすでに大勢いらしていて、お食事したり、話に花が咲いたりの様子。
小さな犬連れまで居たりしたが、子供連れはいなかった。子供は嫌がるだろうな…。

お弁当は有名どころの「大阪寿司の詰め合わせ」と「鶯もち」のセット。
お茶汲みと手伝いに、大勢の若い男女がいるのがこの寺の特徴。アルバイトかな?
渋茶ではない美味しいお茶を戴いて、お弁当を半分と鶯もちをひとつ。
大阪寿司の折り詰め竹皮に包まれた鶯もち

その間、「シエスタ・SIESTA」の演奏が本堂や墓地に響く。
「バラ色の人生」「パリの空の下」などのシャンソンが、なんとも純和風の雰囲気の中で合っているようなミスマッチのような…。
手拍子まで促されて、少なくとも50代以上の参加者は、戸惑い気味?

何故、シエスタさんがこの法要に来たかは、お寺の奥様の依頼とのこと。
生きている人もあの世に逝った人も、等しく楽しんでの供養になったかどうか。
私個人として、楽しんだことは楽しんだが、その分時間が遅くなったことが辛かったけど。
本堂祭壇前での演奏 シャンソン、自作の曲などの曲目

途中から、外より本堂内部のほうが涼しいかも、と思って移動。
狙いはぴしゃり、涼しい風が後の方から吹いてきて、ホッと一息ついた。
大きく窓を開けてあるからか、と思ったら、何のことはない。
今年からクーラーを入れたとのこと、初めての施餓鬼のときは窓全開で扇風機だったっけ。

演奏が終わり、音響装置を片付けて、次は檀家総代の報告と住職のお話。
東風堂の屋根に昨年ソーラーシステムを設置、「ずる賢く考えて、消費電力の一番小さな事務所に繋げ、余った電力は東電に買ってもらっている」とのこと。
都と区から補助金が出たので、5年間で元をとれる計算とか。ということで今年はクーラーが設置できたらしい。
お寺さんも経営は大変なんだな、が感想。

ここで、檀家さんの話になる。
檀家とは、簡単に言うと、そのお寺で法要をあげ、そのお寺の墓地に墓を立てた家のこと。
ネットリサーチによると、町内会と仕組みは同じだそうだ。
昔、ご先祖の方々が協力して寺を建て、その後の維持も皆で力を合わせて行ってきたものらしい。
当然、近隣の人々が多く集まっていただろうが、年代が変わっていく中で、遠くへ離れていった人も多いのだろう。

我が家は、親族が東北に帰る際に譲って行った墓地。
お寺に来るバスでご一緒した奥様は、渋谷の嫁ぎ先の家近くのお寺が檀家と言っていらしたから、生粋の檀家さんだ。
檀家総代が毎年、施餓鬼法要で報告するのは「町内会の決算報告、事業計画」と同じことらしい。

なるほど、葬儀、法要、その他の収入は、住職・お坊さんに入るものではなく、お寺へのお布施と言う意味がよく分かった。
母の墓が建つ前は墓地だけだったが、墓が建ってからは毎年の維持・管理費が倍近くになっているのも納得。
バスの奥様も言っていらしたが、相続しない墓地・檀家からはずれた誰にも連絡できない墓地は、無縁仏として宙に浮いてしまうらしく、非常に困る存在らしい。

彼岸などが近づくと、アルバイトを頼んで、墓の簡単な掃除をしたりもしてくれている。
ジャックの両親の墓は、松戸の先の霊園墓地なので、少し行かないと草ぼうぼうの凄いことになるらしい。
古い花の始末もしていないから、夏は藪蚊の巣になってしまうし…。

続いて、同じ宗派の高僧による「説教」がある。
大藪正哉師は、81歳。「ご先祖と天地の恵みありがとう」と題する小冊子を配ってのお話。
「説教」とは仏教の教えを説くことで、一般化した叱ることではない。
お説教される=叱られる・諌められる・教えられる、は先生や親などの目上の人から、厳しく教えられる・しつけられることを言う場合もあるようだが、元々は「仏教の教義などを信者に説く」ことのようだ。

だから、同じ宗派の徳の高い、年齢の高い僧が招かれている様子。
長い間僧侶として過ごす間には、様々な人生経験もあり、またそれらを見てきたことで、人格的にも魅力的な人になっているはず。
楽しくユーモアいっぱいに語り、歌い、1時間はアッという間に終わった。
記憶に特に残った話、「OS1は水より体に吸収しやすい」ということ。

母が体調が悪いときに飲ませていた水で、ここで出てくるとは思わなかった。
当時は、注文して1ダースずつ買っていたのに、最近は薬局に1本単位で売っている。
母の法要に来て、母の思い出深い水の話を聞いて、良い供養になったのかも…。

そして、やっと大施餓鬼会法要のメイン、十数人の僧侶による読経と法要に入る。
鐘の音で始まり、読経と共に参拝・拝礼(違うかも知れない)と続き、大太鼓・鈴の大きいもの/けいす・木魚の合いの手が入って大合唱。
大勢のお坊さんの法要

続いて全員でのお焼香。
ここでやっと、檀家の卒塔婆が読み上げられる。
数が多いので、ものすごい早口で戒名と喪主の名が唱えられる。
外には餓鬼を祀った祭壇が、本堂の仏壇に向かい合わせに置かれ、全卒塔婆が順番に並べられている。
本堂前の施餓鬼用祭壇と全卒塔婆

読み上げられた順に僧によって卒塔婆が外に持ち出され、受け取った檀家の人々は、自分の家の分を次々に墓に立てに行く。
今年は「は行」からとのことで、割と早く呼ばれたので、早めに済ますことが出来た。
外に呼ばれた順に立てられた卒塔婆

古い卒塔婆に混じって新しい卒塔婆が立てられた墓。
ごく簡単な説明をすれば、餓鬼道に落ちた先祖が食べるものに困らないように供養するという施餓鬼会法要。
この卒塔婆1本で、飢えずに済むのなら、3千円は安いのかも。
古い卒塔婆に並ぶ新しい卒塔婆 

家を出てから5時間以上、時間が掛かるのは致し方もなし。
暑くても、お腹が空いても、のどが渇いても、なにしろ餓鬼道に落ちた人々のこれも供養の為、我慢、我慢。
クーラーの効いたお茶接待の部屋で、一休みしてから卒塔婆を取りにいったユフィは、ずる賢い?

この記事の前編はこちら。
大施餓鬼会に出席-前編-
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