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本 トリノトリビア

トリノトリビア
川上 和仁=鳥類学者 マツダユタカ=マンガ家 他
西東社 1.200プラス税 191ページ


トリノトリビア 鳥類学者がこっそり教える 野鳥のひみつ
川上 和人 マツダ ユカ 三上 かつら 川嶋 隆義
西東社
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 トリビア=くだらないこと、雑学的な事柄や知識。
 数年前か10数年前か「トリビアの泉」というテレビ番組がありました。世にある、どうってことないようなそれでいて不思議な事の秘密に迫る、という種明かしの番組でした。まあ、今話題の「チコちゃんに叱られる」を先取りしたような番組で、その驚きの“へえー”という感嘆詞をポイント代わりに、「20へえ」を最高点に、番組盛り上げる、といったものでした。

 この本にも、私たちの身近で見られる鳥たちの不思議を楽しく解説したものです。それぞれの項目に「へえ!」が隠されていること請け合い。4コマ漫画を見ていくのも楽しい本。

 この本を取り上げたのですが、ジャックが鳥に詳しいわけではありません。まあ、何年か野鳥の会に在籍していたのに、早朝からの探鳥会には行ったこともなく、ただ野鳥の会のショップで、鳥のグッズを買っていた程度のファン。そして、おそらく、ここ湾岸地区に転居してこなかったら、興味を持たなかったと思われるのが動機なのです。私も、昔のテレビ同様に、いくつかの鳥の話に、最高「5へえ」で取り上げていきたいと思います。

当サイトで紹介している鳥にまつわる記事の引用から始めます。御面倒でも、「やまたま」の内容ご覧になってください。

メジロ 
お久しや メジロが来たりて みかん喰う
メジロが群れをなして来た

メジロやヒヨドリは蜜が大好物で、顔につく花粉をものともせずせっせと、花わおとずれます。舌の先はまるでブラシのようにフサフサに枝分かれしています。花蜜を効率よくなめるため、表面積を増やしているのです。寒くなってくると、鳥たちは羽毛に空気を取り込んで暖を取りますが、メジロやエナガは一本の枝に10羽くらいが押しくらまんじゆうのように密集することで暖を取ることがあります、これが所謂「めじろ押し」です。「へえ×3」
・メジロというと、春先に梅や桜の花に首を突っ込んでいる姿がよく映像で流れます。世田谷の我が家には、必ずと言っていいほど、メジロの後からヒヨドリがやってきました。まるで花蜜を探す先遣隊に使っていたような気がしました。

   

カルガモ サギ

ご近所桜 木場と辰巳の桜巡り
カモの仲間のほとんどは、ロシアなど、日本より北の地域で繁殖します。日本で子育てするのは少数派で、身近なのはカルガモだけ。草むらでで産卵、早春に孵化、成長は早く、8月頃には親と同じくらいになります。
・寒くなり始めのころに公園などで見かけになるようになるカルガモ、もうこのときは、親子の区別は付けられないようになっているのですね。初夏のころに親水公園に行ったことはないのですが、もしかしたら、この頃によちよち歩きのコガモに会えるのかもしれません。

シラサギという名のサギはいません。ダイサギ、アマサギ、コサギ、チュウサギなど、白い羽毛に覆われたサギの通称を「シラサギ」と言っています。羽毛は撥水効果がありますが、特に「尾脂腺」という器官から出る油分を全身にすりつけて、撥水効果を引き立てています。「へえ×2」
 
・いつもの散歩の帰り、近くの運河の袂まで来たとき、干潮で護岸の石がむき出しに、そこに何かいました。動きません、もしかしたらサギかと思ったのですが、肉眼ではよくわかりません、たまたまカメラ持っていたのでズームして撮ったのがこの写真。野鳥の図鑑で調べてみましたが、サギではないようです。ウロコのような身体と、トサカのような頭は、どうやら「ヨシゴイ」ではないか、と思うのです。



カモの雑種
野外で雑種の個体を見ることはほとんどありません。異種でつがいになれば、同種との繁殖機会が減り雑種の子供は羽毛の色や模様が中途半端なものが出ることになります。しかし、カモは雑種が出やすい個体です。別種と恋することがあるのです。「へえ×3」
・サイトで紹介した親水公園では、カルガモだけしか見当たりませんでしたが、近くの運河にはあちこち、いろいろなカモが浮いています。

   

カイツブリ
カイツブリは潜水が得意。水中で魚やエビなどを捕えます。20秒あまりも潜ることがあり、思いもかけないようなところから、プカンと浮かび上がります。カモとは違った足を持っています。「へえ×2」
・カモの仲間たちとごっちゃに浮いていますが、、カモとは違う種類。潜った後、どこに浮かび上がってくるか、ベランダから見物していると飽きません。

スズメ
「リビング ペット アムール猫 ベンガル猫のある日その時 06 ある日 スズメがやってきて
・東京では、めっきりスズメが少なくなったというニュースに出会います。でも、ちょっとした木立や水回りのあるところには、何羽かのスズメを見ないことはないでしよう。私たちにとっては、馴染みがある、というか、何時も周りにいる鳥でもあります。それだけに、スズメに関する諺や言い伝えも多いのが、この鳥です。
着たきり雀 同じ服をいつまでも着ていることを、「舌きり雀」になぞらえているのですが、年に一度は羽毛の生え変わりがあり、日々、毛ずくろいもし、水浴びも、砂あびもしていて、清潔を保っています。
 ふくらスズメ 寒くなってきたとき、人間もいっぱい重ね着をして、ふっくら状態になりますが、鳥たちは、羽毛の中にできるだけ空気を取り込んで、寒さ対策をします。体の倍くらいまで、ふっくらみられることがあります。
 群雀(むらすずめ) 早春から初夏にかけて、巣立ったばかりの若いスズメは、群れを作る習性があります。チュンチュンどころか、ガヤガヤとうるさいくらいに群れることがあります。「へえ×4」
・スズメには「雀百まで踊り忘れず」なんていう諺もあります。我が家には寒くなってくると、ベランダにご飯を食べにやって来ます。もともとは、花壇の花を狙ってヒヨドリが来たのを見て、もしかしてスズメも来るか、とクッキーの粉を撒いたのが初め。以来、単独行で悠然と食べていくものあり、ツガイと思われる、いつも二羽でやってくるものあり、4~5羽位の集団でやってくるものもあります。春先は小スズメも一緒で、羽を震わせてピーピーと餌をねだって、口移しでクッキーを貰っている光景も目にしました。温かくなって、地面の小虫などが食べられるようになると、姿が見えなくなります。ベランダのスズメで、季節の変わり目を体感するようになりました。


ムクドリ ハクセキレイ
豊洲運河沿いに飛び来るトリとり鳥
・ジャックの散歩コースである、辰巳の森海浜公園周辺は、木々の葉が落ちる頃になると、様々な野鳥の声が聞こえます。こんなにいろいろな野鳥がいるとは思いませんでした。ベテランの野鳥の会の人たちなら、鳴き声で何の鳥か分かるのでしょうが、私には区別がつきません。日の当たるベンチに座っていると、近くの枯れ枝にもやってきますが、カメラを取り出す間もなく、とんでいきます。 
 そんな中で、お人よしの鳥もいて、ムクドリとセキレイはワリとのんびり近くまでやってくることがあります。

ムクドリは集団で行動する習性があります。都会ではふゆは温かいのと天敵に襲われる心配がないので、あちこち群れを作って、ギュルギュルとうるさく、住民に嫌われるので日中は公園などに餌を求めにやって来てテクテク歩き廻ります。

                              
ハクセキレイは都会の広場や駐車場などでもチョコマカ歩いているのを見かけます。どの鳥にとっても、飛ぶことはとてもエネルギーの要ることなので、できれば地上にいる方が楽なのです。なので、歩いてばかりで飛ばない鳥、のイメージがあるのですが、逃げ足が速いだけで、小まめに飛んでいるのです。


ハト
・目の前で歩く鳥、といったら、ハトくらいでしょう。いちばん身近で観察できる鳥、ともいえます。ところで、その観察で気が付くのが、あの、首を前に突き出しては体を引き寄せる、独特の歩き方です。あのタモリさんが、真似をしそうな歩き方です。
実は、ハトは首を振っているわけではないのです。人は顔の前に目が付いているので、遠近感が得られているのですが、ハトは左右に目が付いているので、距離感がつかめません。そこで、一歩足を踏み出す毎に、体を首の位置まで引き寄せ、距離を確かめることにしているのです。いわば、空間に対して頭を固定しているのです。
 この体感は電車に乗っていてわかります。窓から見える景色を一点に絞っていると、景色は流れ行ってしまいます。そこで、電車のスピードに合わせるように、首を動かせば、景色は、距離感を持って見ることが出来るでしょう。(へえ×5)


・バレリーナのくるくる回る踊りも、私たちから見ると、よく目が回らないものだ、と感心してしまいますが、あれは、例えば正面に来た時だけに焦点を合わせれば、目が回ることがないのだそうです。
くびを振って歩くのはハトだけではありません。左右に目が付いているサギ、ニワトリ、セキレイ、ムクドリも首を振って歩いています。

キジ
1947年、日本鳥学会において、国鳥選定の議論が行われました。平和の象徴のハト、ヒバリなどを引き離して、ヤマドリとキジが最後に残ります。決まったのはキジで、日本固有種で年中観察でき、優美でおいしい、というのが理由、1984年には1万円札の図柄にもなりました。どうやら、桃太郎効果かあったようなのですが、大陸にキジと同種かいたことが判明、グレーとなりました。ヤマドリは現在でも日本の固有種です。(へえ×5)

この項で紹介している写真は、冒頭のメジロの写真以外は、「やまたま」のサイトも含めて、いずれも辰巳の森海浜公園と周辺の運河(一部我が家のベランダ)で撮影したものです。
で書いている項は、当本から引用(私の脚色)です。

この本、書籍には珍しく付録が付いています。ファイルになっていて、裏には鳥をテーマにしたチャート式のクイズになっています。私が辿って行った結論は「町の自由人スズメ」。人の住むところならどこでもたくましく生きる、エネルギッシュな小さな巨人。

   
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