やましたさんちの玉手箱
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坂道の途中に開くピンクの傘

しだれ梅が満開でやっと春の気分

我が家から下北沢に抜ける坂道はいくつかあるが、細い住宅街の道から少し広い道路に抜ける途中の角の家の梅が、やっと満開を迎えた。
とてもキレイな傘の形に調えられていて、通る度に見上げるのが楽しい。
青空に映える梅の傘

この家は、マンションの一角にあって、多分このマンションの大家さんだと思われる。
下の道路まで続く一角はとても広く、古い桜や椿の木々も並んでいる。
もう少しすると桜が満開になるので、見上げながら楽しんでいる。

昔のこの一角には、とても広くて古い旅館があり、孔雀が飼われていて時々鳴き声が響いたりしていた。
深くは分からないが、よく知られた老舗の旅館だったみたい。
いつの間にかマンションになってしまったが、暗く深い森林風の一角だったのに、すっきりと現代的な雰囲気に変わってしまった。

それと共に近所の屋敷も、次々にマンションになってしまった。
垣根になっていた馬酔木の花や実が懐かしいが、記憶の中にしか残ってはいない。
マンションは見た目はすっきりと現代的だが、趣は無いのがのが残念だ。

時々マンションの玄関などに、古い桜などの樹が残されていて、かつての光景が浮かんだりすることもある。
この梅も、多分そんな一本なのだろうか。
ちょうど、門と玄関の角にキレイにピンクの花傘を広げたように見える。

品種を調べた結果、一番似ているのが「藤牡丹枝垂」というもの。
枝垂れの八重咲きなら「藤牡丹」と言われるほどに多いらしいが、蕾の先は紫を帯びていて、開花すると淡紅色になるらしい。

名前を見るだけでも、華やかさが伝わってくる感じだ。
大輪の八重咲きで、開花時期は2月上旬から3月中旬らしいのだが、この冬は寒さが厳しく長かったためか、2月の末頃から咲き始めたと思う。

そういえば家々からのぞく梅の花に、なかなか気が付かなかったのだが、寒さで下ばかり向いて歩いていたからだろうか。
今朝花の下を通ったとき、香りが漂っているように感じられた。
念のため落ちていた花を一輪拾って嗅いでみたが、香りがあるような無いような、でよくは分からない。
花一輪

いろいろとリサーチした結果、花も八重で美しく枝垂れ、香りも馥郁と漂う品種があることが分かったから、気のせいではなく香ってもいたのだろう。
梅林などに観梅に行くと、香りの良い樹もあって清清しい気分になるから、花も香も楽しめ更に実も食せる梅が、古来から尊ばれてきた意味もよく分かる。

以前のお向かいの家には梅の木が数本あり、季節毎に花枝や実を頂いていたから、梅というと実を連想してしまうのだが、枝垂れ梅でも実は成るのだろうか。
リサーチの結果は、枝垂れの種類にもよるようだが、実はちゃんと成るらしい。
「おいしくない」「種が大きくて実が少ない」等々の感想も載っていたから、観賞用の梅と栽培用の梅では、やはり別ものなのだろう。

それでも、食い意地の張ったユフィは、傘状に実のなった枝垂れを見てみたいのだ。
今までは気にしてなかったのに、6月になれば見られるかな、と期待感がいっぱいだ。
でも、今までの数年間気が付かなかったのだから、この枝垂れは実が付かないのかもしれないな。
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