やましたさんちの玉手箱
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デンドロビューム 再生成功

雪だるま 七年目の 春に咲く

 頂いた蘭の花=花屋さんで購入したもの=専門の花卉栽培業者がそだてたもの、立派な花ですが、終わった後に土などを入れ替えて、来年の開花を待つ、というような一般の花と違って、もう一度咲かせるのはまず難しい。もったいないけれど、花が終わったら捨てるしかありません。
「お富士さん」といわれる、浅草の馬道で五月と六月の最終土曜、日曜に開かれる植木市は大掛かりなもの、ジャックもよく出かけます。ここで、咲き終わった蘭の根が売られていることがあります。500円から1.000円程度。
 何回か買って、水苔でまいて育てようとしましたが、なかなかうまくいったためしがありません。

 七年前、知人が拙宅に来た時、ジャックが花好きなのを知っていて、立派なデンドロビュームを持ってきてくれました。『ゆきだるま』という種類。蘭を頂くなんて、それこそ『やましたさんち の たまてばこ』が開店した時の開店祝いでもないと、頂けないもの。とてもうれしかったものです。
 二ヶ月くらいは楽しませてもらいましたが、さて、咲き終わって、どうしよう。捨てがたいのですね、そこで、今までの失敗を基に<再生を試みることに。

 全てが咲き終わって、先端に高芽といわれる5センチほどの、白い髭のような根が付くのを待って、根元から、ポキリ、簡単に取れます。今までは大きな鉢にいっぱいの水苔を入れて失敗したので、小さな素焼きの鉢に。この按配が難しいのですが、水苔をきつく巻いてもだめだし、少なくてもまずい。二つの根を取ったので、少しずつ水苔の量を変えて植えてみました。
 
 以来、冬は温室の一番陽の当たるところに、なるべく置くところを変えずに、水をやりすぎす、風がなるべく通るように。
 おばあちゃんが亡くなって、ジャックがサンルームを仕事場にするようになってからは、出窓の上に場所を変えて、今年で七年。茎も30センチほどに伸びました。
 正月か過ぎて、ある日、久しぶりに水を遣ろうとしたら、いつもは目にしにくい、窓側の茎に、虫に刺されてちょっと膨らんだような、「コブ」を見つけました。これ、花芽だ
 
おもわず、叫んでしまいました。コブがだんだん膨らんで、三角にとんがってきて、先端が薄い紫色になってきて、三月の半ばについに開花です。よく見ると根元に新しい芽も生まれていました。
 もう一方の鉢には花芽は付きませんでしたが、来年を楽しみに、いつも通りに育ててみます。
ゆきだるま


幼児から少女の貌に変わったデンドロビューム

デンドロビューム二年目
 まずは、写真を見比べてみてください。去年、花をつけた茎の右下にわずかに伸ばした新しい花の茎。一年経って、背丈も伸びて、正月明けには“花芽かな”と思われる小さなコブが三つ現われました。
 そして、東京に桜の開花宣言かあった一週間ほど前に、三つの花芽から六輪の花が開きました。花がうれしいのは、季節を確実に教えてくれることです。去年の花が幼児だとすれば、少しはお化粧もできそうな、少女の貌にも見えます。
 一ヶ月は花が続きますので、楽しみたいものです。ただ、残念ながら、今のところは新しい芽が現われていません。代わりに、今年も花がつかなかった右の鉢に期待しているところです。
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