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植木の引越し

 我が家が転居を決心したのは、一年半前くらいになります。すぐに家を処分できるか、しばらく時間がかかるか、ご縁があるのを待つのみなのですが、決まっているのは不用品の処分と、転居先まで持っていくものの見分けでした。不用品、といっても全てがゴミ、という訳でもなく、まあ、これらの処分については、増設予定の[引越し]のテーマで紹介する機会もあるかもしれません。


 そうしたことにもかかわらず、3人3様、処分に悩む事を抱えていました。 
 ユフィは、長年続けてきた料理の仕事で使っていた食器。300点くらいはあったでしょうか、よくもこんなに家の中に納まっていたか、というほどです。

 サーヤは、といえば、コミック中心の本が3000冊程度も、二階の廊下に専用の書棚、増築したときに二階の納戸、コミック専用のケースに収めたもの何段重ね。地震が来て二階がつぶれたら、真っ先にその下にベッドがあるユフィが潰れる、といつも話し合っていたものです。(食器と本についての処分もここでは触れません)

 ジャックが困っていたのは大事に育ててきた植木でした。我が家には車が2台くらい収まる空間がありましたが、私は一切車やらないので、植木の置き場になっていました。2階のベランダとも合わせて大小およそ80鉢ほど。
 思い切って捨ててしまうのであれば、家の解体まで置いておいて、一挙に処分すればいいのですが。そこで、食器、本等と合わせて、私道の入り口に[無料ガレージセール]の張り紙をして、家の前に少しずつ品物並べて自由に持っていってもらうことにしました。
 その前に、住み替えたときのマンションのベランダの広さも分からないのですが、どの植木を持っていくかを決めて、木戸の奥に収められるものを選びました。選んだ鉢は以下の通り。

・ゴールデンカップの親木
・ゴールデンカップのDNAを残そうと、先端部分をカットして枝わけをした小鉢2個
・寒椿
・月下美人
・千両
・紫陽花
・デンドロビュームを小分けした鉢2個
・蘇鉄の枝分かれを植え替えた小鉢
・ゼフェランサス
・スパティフィラム
(以上の多くは、当サイト ◇園芸 に詳しく書いているものもあるのでご覧ください」)

以下は引っ越してきた植木の近況です

外で冬越しできないものをリビングの窓辺に。左二つはゴールデンカップ、右三つはデンドロビューム、今年もよく咲きました。

ゴールデンカップの小鉢植え替え
 引越しが決まったときに、ゴールデンカップの親の木も、もう20数年前に育てたもの、「万が一」に備えて、親木のDNAを残しておこうと、先端部分を15センチほど切り取りコップの水の中に。この木は丈夫で一ヶ月ほどで切り口から、白い根が出ます。3~4本根が出たところで鉢に植え替え。赤玉の土に入れます。こうして転居先に持ってきたのですが、それまでにおよそ1年半、途中植え替えもできず、だいぶ窮屈そうになってきていました。そこで、改めて一回り大きな鉢に植え替えることに。 




豊洲のビバホームで買ってきた一回り大きな素焼きの鉢に、腐葉土と赤玉土、2対8の割合で植えた。古い鉢から取り出そうとしても、根が底にまで回ってしまって、痛々しいよう。元の根を傷めないよう、ほぐしてから土を入れ込む。

デンドロビュームの植え替え
 圧縮の水コケを少しずつバケツの水に漬けて、一握りずつ絞りながら、根に巻き付けるように覆っていく。あらかじめ鉢の底に水コケを少量乗せておき、根を入れていく。空いている部分に、少しずつ水コケを詰めていく。あまり詰め過ぎると後で水の通りも、空気の通りも悪くなるので、調整が大事。ジャックはもう何度も失敗しているので、加減は分かっている。







ベランダで冬越しした鉢。
 左は寒椿、去年の今頃、ちょうどこのように新しい若葉が出た頃、家の片付けものに一所懸命で、毛虫に取り付かれているのに気づかず、ほとんどを食われてしまいました。ために花芽が20くらいしか付きませんでしたが、それでも正月明けには、真っ赤な花が見られました。
 中左は月下美人、暖かくなって外に出すと、ほどなく花芽が付くのですが、今年はまだ確認できません。
 中右は千両。実は去年夏、3本の枝にいっぱいの花芽が付きました。初めてのことです。正月には赤い実がなる、と楽しみにしていたのですが、引っ越して間もなく、一本が枯れ始め、一ヶ月ごとに他の2本も枯れてしまいました、水遣りを怠ったわけでも、遣り過ぎた訳でもないのですが。植木は環境が変わったり、置き場所を変えると枯れてしまう、という話は聞いていましてが、こんなに正直に実践するとは。残った根を植え替えましたが、まだ元気がありません。
 右は紫陽花、元気に葉をそろえてきました。入梅が待ちどうしいのは、この鉢くらい。


スパティフィラム
 一年中屋内で育てています。引っ越してきた頃には、根が5センチあまりも伸びて、倒れそうなくらい、葉も元気がありませんでした。急遽、培養土を買ってきて6~7センチあまり、根が隠れるように盛り土しました。植木はこんなところでも正直で、一ヶ月あまりで葉が大きくなり、また根の周辺から新芽がたくさんのぞいてきました。白い花芽も二つ見えます。


蘇鉄
 この蘇鉄、今を去ること数十年、サーヤが高校2年の九州一周年の修学旅行の折、鹿児島の植木屋で、その頃から鉢植えを楽しんでいたジャックのために宅配で送ってくれたものです。数年に一度、少しずつ鉢を大きくしていって、なんと引越しをする段になってときは二階のベランダの隅で、我が家で一番大きかった鉢に治まっていて、私の力では下迄おろせない状態。引越し屋さんの若いお兄さんが、こともなげに抱え降ろすのを、あっけにとられてみていた次第。でもマンションでは置き場所がなく、泣く泣く、置いていくことに。でも、向かいのワンルームマンションのオーナーさんが貰ってくれることになって一安心。ちょうど一年前くらいから、小さな芽が出ていて、形見分け、に堀り出してきたもの。今のところ元気。
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