やましたさんちの玉手箱
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雀返し

表題は『すずめがえし』と読みます、『つばめがえし』ではありません。『燕返し』は、巌流島の決闘で、宮本武蔵に敗れた佐々木小次郎の必殺技、スイ、と飛ぶ燕を一刀したことから名付けられたものですね。小次郎の刀身は長く、それで背中に背負っていたわけ、別名「物干し竿」と呼ばれていた、と言います。

閑話休題
 早速寄り道で申し訳ありません。「物干し竿」で思い出されるのは(ジャックの年代に限られたことかもしれませんが)プロ野球、阪神タイガースの往年のスラッガーとして名を成した「藤村富美男」です。他の人より長いバットを振り回してホームランを量産。川上の赤バット、大下の青バットと並んで当時の人気でした。これ、分っかるかなあ、分からねえだろうなあ。

 本題に戻ります。雀返し、はジャックが勝手に名付けたもの。映画やテレビの時代劇に出てくる武家屋敷には、高板塀の上に、所謂忍びの者や盗賊が入り込まないように、先の尖った物を、例えば有刺鉄線のように、塀に張り巡らせたものを見ることがあります。これを『忍び返し』と呼んでいました。
 同じように、忍び込むことを防ぐために備えられたものに『鼠返し(があります)』。日本古来の木造建築物など、ネズミの害から守るために作られた物や、穀物を乾燥させるために、柱の上部に作られた板の間に上がられないように設えられたものなど、いろいろあります(鼠返しはネットで様子が見られますので興味の向きにはどうぞ)、また、樹木などでも木や実を守るために、樹木に腹巻きのように藁を巻きつけるものもあるようです。


 長くなりましたが、これが雀返しです。これは、ジャックの住むマンションのお隣のお宅の、ベランダの手摺の部分に設えられたものです。勿論、すずめが近寄らないためのものです。お隣との防犯・防火のための仕切りにも、見事に設置されています。お隣に雀返しがあって、なぜ我が家は設置しないのか、これが、本来の、この記事のありようです。

 そもそものきっかけは、我が家が世田谷から転居してきたとき、持ってきた植木が数鉢(当サイト、庭 園芸 植木の引っ越し に詳しく)、ベランダの花壇に置くために、花の小さめの鉢を買い揃え初めた頃。ある日、突然、ヒヨドリがやってきて、花と葉っぱを突っつき始めました。このヒヨドリ、世田谷に住んでいたときにも同じようにやってきて、メジロに上げるために、葉の落ちた酔芙蓉の枝に刺したみかんを食べにやってきたものでした。
 そこで、花を食べられないように、とパンのクズをベランダに撒いたのが始まり。いつの間にかスズメが食べに来るようになり、それを見たアムール君が、奇妙な声を挙げながら尻尾をブンブン振り回すのが面白くて(アムール君が面白かったのですが)、それから、わざわざクッキーを買ってきて、ベランダに撒いてやるのが、ジャックとアムール君の日課になっているのです。

このスズメはいつも単独行、もうベテランなので、アムール君が窓に近づいて行っても、落ち着いて食します

こちらは、ツガイでしょうか、いつも二羽でやってきます。アムール君に慣れていないので、姿現すと脱兎のごとく、いえ脱雀(だつじゃんと読むか)逃げます。

 毎朝、ベランダのカーテンを開けると、塀の上で待ち構えています。そして、餌を撒こうとベランダに出ると、一斉に、一時退散します。とここで気がついたのですが、お隣のベランダの塀と手摺に止まってジャックが引っ込むのを待っているのです。話が長くなりましたが、これでお分かりですねねお隣は、お洗濯が早い、で、早起きスズメたちに、糞など撒き散らされたらかなわない、ということで、防衛に出た、というわけ

待合室、衛星放送のアンテナで待っています。

ここでは糞を残すこともあります、お隣では、これがまずかったのでしょう。

 我が家では、楽しいひと時なのですが、お隣はそうも行かないのでしょう。お断りしておきますが、このことで、お隣と諍いになっていることは一切ありません。それにしても、何処で手に入れたものか、防犯グッズの一つなのか、お聞きするわけにもいかないのですが、見事だと思いませんか。


アムールくんと雀の交流は、当サイト リビング ペット アムール編 6ある日スズメがやってきて にもありますので、よかったらご覧の程を。
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