やましたさんちの玉手箱
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あかまんま・赤飯・オオケダテの一輪

オオケダテの全体の絵
雑草のイメージが全く覆った花

「あかまんま」と聞くと、女性なら『ああ、おままごとの赤飯ね』と思い出すはず。
あ、年代が若い人には記憶がないかも知れないし、都会育ちのサーヤなんかは「おままごと遊び」は皆無だったろう。

なにしろ漫画にどっぷり、テレビゲームに嵌っていた世代なのだから仕方ない。
ユフィの子供時代には、渋谷繁華街を学校の長期休みには離れ、親戚の家々にお泊りする習慣だったから、従姉妹達とたくさん外遊びもしたのだ。

もちろんおままごとセットで、花びらを絞っての色水をジュースに、あかまんまは赤飯に、砂だんごも作ったし、楽しい思い出がいっぱい。
都会の繁華街と、郊外の一軒家の両極端の生活が、ユフィの現在を作っているのかも知れない。(今まで気づかなかった…)

さて、本題の『あかまんま・赤飯・オオケダテ』は、96,9,26とサインが記されているから、なんと20年近く前の作品だ。
こんなに大きな「あかまんま」は、ユフィも初めて見たので少し驚いた記憶があるが、道端の雑草であるちっちゃい花では描く気はおきなかっただろう。

教室に通う途中の古い一軒家の塀越しに溢れるように咲いていて、一瞬でひと目惚れした花だった。
鮮やかなピンクの花が、丈高くいくつも藤の花房のように垂れている。
「あかまんま」の種類だとは直感したが、道端の雑草のものとはまるで違っていて、その華やかさに驚いたのだと思う。

しかも大量に茂っているのは、住む人が居ない証拠でもある。
早速「花泥棒」に変身して何本か頂き、すぐにデッサンしたのだろうし、何しろいっぱいあるのだから、次の週でも生きの良い花で色づけもできた筈。

今回の掲載に当たってリサーチし、『オオケダテ』と言う名前だと知った。
蓼科の中では一番大きく、毛が多いことからついた名のようだ。
堂々とした姿は、沢山群がって咲いていても数本でも、風格を感じさせる。

鮮やかなピンクの垂れた花穂は、よく見ると咲いた一つ一つの花が、とても愛らしいから名前がちょっと可哀そうかも…。
いつもの通り実物大のはずで、きちんと小さく咲いている花も描いている。
ただし、『オオケダテ』と言う名の由来の「毛」までは描かれていないが、花托・花柄・ガクなどの緑の部分は、とても丁寧に色も変えて描き込んでいる。。
オオケダテの花の大写し

リサーチした花のしべ先のやくは白っぽいのだが、ユフィの絵ではピンクになっている。
画用紙の白に白では目立たないから、ピンクにしたのか?
何しろ年数が経っていて、詳しいことは思い出せないが、『見たままそのまま』が先生の教えだったから、しぺもピンク系だったのかも知れない。
オオケダテの絵の大写し

蓼は独特の香りと苦味があり、鮎の塩焼きなどに添える「たで酢」が良く知られているし、『蓼食う虫も好き好き』などのことわざでも有名。
湿地を中心にして、全世界に見られる植物なのだそうだが、日本では刺身のツマなどにも用いられているとか。

蓼一般の花言葉は『思いやり』。
この花を見たのは一度きりで、あの古家は新しく建替えられてしまったので、それからは目にしていない。
どこか地方の山野にでも行けば、夏から秋の季節には目にすることが可能かも知れないが、仕方ないから壁の絵で我慢するしかないか…。

大きく華やかな姿なので、生花としてまとめて花瓶に挿したら素敵そうだが、水揚げが悪いらしく難しいのだそうだ。
「やはり野に置け」の花の一種なのだろう。
「ベニタデ」と言う濃いピンクのものもあるようで、リサーチはとても楽しい。

「イヌタデ」とも呼ばれている役に立たない蓼は、何処の道端でも咲いていて、商店街のわき道でも見つかる。
イヌタデの一叢
イヌタデの花
全くの雑草なのだが、よく見ると蕾が膨らんでいて、今にも咲きそう…。
商店街の道にしゃがんで見ていたら、変な人扱いされそうだから、写真だけ撮って早々に退散した。
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