やましたさんちの玉手箱
ユフィの記事
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9月 美女の代名詞・芙蓉 秋の宝石・玉珊瑚

夏の終わりから初秋への花/芙蓉
薄いピンクの芙蓉の絵

今年はまだ咲いていない。
ご近所でも見かけていないから、今年は暑すぎたのだろうか。
とても生命力の強い木で、毎年楽しみにしていたご近所の「スイフヨウ」の花は、咲き終わるとばっさり根元近くまで切られてしまうのに、初秋になると綺麗に咲いていた。

我が家には、今はもう無いそのお宅の孫木になる「八重のスイフヨウ」がある。
接木ではなく、「実生」からの鉢植えのおすそ分けを頂いたものだが、「実生・種からの育種」は非常に難しく、花が咲くまで何年も掛かるとのこと。
ユフィと同様に、そのお宅の「スイフヨウ」に魅せられた方が育てていらした一鉢だ。

今ではかなり太い幹になっていて、毎年目を楽しませてくれている。
このスイフヨウには、もうひとつ「一重咲きのもの」があり、我が家ではこちらが先輩に当たる。
ジャックに頼んで購入してもらったのだが、八重咲きと指定しなかったので、咲いてみたら一重でガッカリした。
一重咲き朝の酔芙蓉

一重咲きのスイフヨウは、ユフィの描いた『芙蓉』によく似てはいるが、微妙に違っていて、同属の「ムクゲ」によく似ている。
ただ、花はムクゲよりは大きく、直径10~15cmと非常に大きいことが特徴。
五弁の花・雌しべと雄しべの形がハイビスカスにも似た雰囲気なのは、同じ科のためか。
朝咲き夕方にしぽむ一日花で、長い間次々に咲き続けて楽しませてくれる。
ほんのり紅の酔芙蓉 夕方の酔芙蓉

この花を描いたときも、花色や中心の色合い、白い筋などは、新しい花を見ながら描くことができた。
我が家にはなかったと記憶しているから、教室近くの緑道から無断拝借した花だろう。
全体に薄い紅色で、白い筋がはっきりと入っており、花の付け根部分は濃い紅、しべは目だたない黄色だ。

ふんわりと広がった花びらは、透き通るような薄い感触があり、少しだけ見えている花裏は少し濃い色合いだ。
芙蓉の花色は、白一色、白に中心が紅や橙、薄紅、ピンクの濃淡、濃い紅など豊富。
一重咲きと八重咲きがあり、細かな毛が生えた実は、一見蕾に似た形で生花にも利用されている。

中国では、美女の形容として多用された蓮のことを指していて、「フヨウ」と区別するために「水芙蓉」と表され、陸地のフヨウは「木芙蓉」と言われていたらしい。

酔芙蓉とはまた粋な名前をつけたもので、朝は白く花開き、陽の進み具合で序々にピンクから濃いピンクに染まっていく様子を、美女がお酒に少しずつ酔っていく様に見立てたと言われている。
初秋から秋が深くなっていくと、涼しさのせいで前日の花が咲き残り、白・ピンク・紅の三色の花が同時に見られることもある。
とても趣の深い花なのだ。
咲き始めの八重の酔芙蓉 ピンクに変わった酔芙蓉


白い花が橙色の玉になる/タマサンゴ
タマサンゴの一枝の絵

この絵の植物は、夏から秋にかけて路地裏や生垣によく観られるもの。
名前が分らずに、リサーチで「橙色の実」で調べた結果見つけた。
花は白いので同じようだが、しべの部分が分かれているのといない違いがあるようだ。

しかし、よく観て見るとしべが五つに分かれて開いたものと、まだ開いていないものの違いのように思われる。
葉や丸い玉の形と色が同じなので、「タマサンゴ・玉珊瑚」に違いない。
ブラジル原産で、明治時代に渡来したらしい。
道端のタマサンゴ

最初は観賞用として庭に植えられたものが、野生化したものか。
花は夏から秋、果実は秋から冬にかけて橙色から朱色に熟し、別名「冬珊瑚」とも「竜の玉」とも言われる。

絵の葉は色分けされていてデフォルメを思わせるが、「見たままを描く」手法のユフィがデフォルメする訳が無いので、その日の草の状態がそうだっだけだろう。
玉は、横から見た少し楕円形で、色味はしっかりと出ているようだ。
もう一つの玉は、まだ色づきの途中なのがよく分る。

写真のタマサンゴは、花も終わりかけていて、すべてが濃い橙色になっていて、とても人目を引いていた。
名前は宝石を思わせ、床しく素敵な植物なのに、雑草化しているのが少し哀れだ。
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