やましたさんちの玉手箱
ジャックの記事
読切
TOP > キッチン > その他

受験生の夜食 ほっこり 熱々 葛湯はいかが

 正月が終われば、ニュースのネタは受験へと切り替わっていきます。新聞の記事では、受験生のための夜食の記事が載り、テレビでは、若者達の睡眠の異常が特集されたりしています。
 ジャックが勉強嫌いだったことは、折に触れ、このサイトでも書いていますが、先日テレビを見ながらユフィが改めて“勉強嫌いなあなたが、なんで大学に受かったの”と聞くので“我が人生で、唯一勉強した三ヶ月は、ほとんど、寝なかったよ”と言ったら、さすがにびっくりしていました。ほんと、今から思い出しても、あのころ、布団で寝た記憶が無いのです。なんてったって、40年以上前のことなんだけど。

2年生の二学期の終わりの日は、当サイト ジャックの部屋 現在刻語事典其の九 未成年飲酒の項で、向島 待合 すき焼き 日本酒 というとんでもない1年前のことでした。3年の終業式が終わると、進学希望の生徒は自由登校で、ほとんどの生徒はひたすら自宅で受験勉強に励む事になります。
 
 私は日中は二階のベランダを背にして、廊下に机を出し、夕方まで陽を浴びながら参考書を読みふけっていました。さて、夕食が終わってからは、さすがに寒い部屋でひとりいるのもつらいことで、当時は部屋にストーブなんていう生活からは遠く、六畳間の掘り炬燵に両親と一緒に暖をとっていました。
 多分この時間は参考書を読んでも集中ができずに、ひたすら英語の単語帳をめくっては暗記でブツブツ言っていたようです。母が“気が違ってきたと思った”と心配したほどだったようです。

 さて、両親も床に就いてから、夜の追い込み。足許は暖かいけれど、寒気が背中を襲ってきて、お腹もさみしくなってきます。この当時、当然、カップ麺やインスタントスープなんてものはありません。同級生はどんなふうに夜食と戦っていたのでしょう。
 最近の新聞では「夜食は軽いものを。寝る2~3時間前に食べるのが効果的」。夜遅くにボリュームのあるものを食べると、胃がもたれ、眠りがあさくなり、朝食が食べられなくなってしまう、と。10時以降は暖かいココアやミルクがお勧め、とあります。

 ある食品メーカーでは「受験生応援メニュー」をホームページで掲載。「野菜たっぷり卵雑炊」「あんかけ卵とじうどん」「たっぷり野菜のコンソメスープ」など50件ものメニューを提供しているのだそうです。こんなにメニューがあったんじゃ、かえって気が散っちゃって勉強にならないんじゃないか、と心配になるほどです。

 さて、ジャックの夜食。母が教えてくれたもの。お金もかからず夜中に勇気を与えてくれたもの。それが『ほっこり 熱々 葛湯』なのでした。母が味噌汁を作る時に、味噌を溶かす為の小さな鍋。これに片栗粉を適当にいれ、水を(いきなりお湯では不自然に固まってしまうのでね)、ガスで少しずつ暖めます。砂糖を入れ、白濁していたものが次第に透明に、手ごたえがねっとりしていくのを見ていると、お腹が鳴るようです。ぐつぐつする直前に火を止めて出来上がり。これ、茶碗なんかに入れると冷めてしまうので、鍋のまま炬燵に持っていき、大きなスプーンでいただきます。
 たったこれだけの夜食でしたが、アタマもカラダもほっかほか。そして、夜中の勉強に突き進むのです。

 今、思い出しても夜中になって、布団を敷いて、寝巻きに着替えて、といった記憶がないのです。多分、炬燵に足を突っ込んだまま寝ていたのでしょう。当時「四当五落」という言葉が受験生の間で言われていました。四時間睡眠でがんばったヤツは合格、五時間寝たヤツは落ちる、という訳。ジャックは「三当」位だったんじゃないか、と今思うのです。

ほっこり 熱々 葛湯 お勧めです。合格間違いなし。
受験生 片栗粉片栗粉水添える
片栗粉に砂糖入れるとろみが付いてくる
ほっこり熱々葛湯の
●40数年ぶりに喰った、うまい、青春の味だ。
 けれど、勉強する気は全く起きなかった。
▲ページTOP