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鬼平犯科帳スペシャル~泥鰌の和助始末記~ 流石歌舞伎役者は違う

正月特別番組を、とても楽しみにしていた。
年々少なくなる時代劇の中でも、本格派の作品だと思う。
中村吉右衛門も風格が増してきて、父親譲りの押し出しといい、声といい「流石は歌舞伎役者だ」と感心する。
着こなしが良い。着流しに雪駄で橋を歩く最後の場面など、惚れ惚れするほど格好良い。

私はどちらかと言うと、兄より弟の吉右衛門が贔屓。渋好みなので…。
歌舞伎役者といえば口跡の良さは特別。
マイクなしで演じるのだから、大切な要素といえる。
一つ一つの言葉がきちんと発音されていて、聞きやすいのが特徴だろうか。
最近のドラマなどでの若い俳優たちの中には、口跡の悪い人も多いと思うので、なお感じるのかもしれない。

ジャックが一言「最近のテレビに合わせて、鬘と額の境目が目立たないようになっている」とのこと。
なるほど、最近のハイビジョン画面は瞳の色までしっかり映し出すから、鬘は大変かも知れない。
近年の時代劇は、地毛で前髪などはつくるので、女性の全鬘姿は少なくなっているようだ。
地毛を鬘の上から被せるらしく、よく見ると前髪の部分がそれぞれ違っている。
長い毛の女優は、とても自然に馴染んでいるが、短めの毛の女優の前髪はちょっと不安定に見える。
茶髪も多いので、なんとなく明るい感じの日本髪になるのは、仕方のないこと。
富士額の女優は、すごく自然でしかも美しい。
あ、ちょっと話がそれてしまった。

さて、石橋連司の泥鰌の和助と、盗賊改め方の長官・鬼平との30年前の出来事を綴ったもので、第1シリーズで放送されたもののリメークとのこと。
鬼平がぐれていた若い頃、悪と善の分かれ道に立った時の話、和助に対する鬼平の気持ちが辛くそして懐かしい。

石橋連司の悪党ぶりと、好々爺の演じ分けがすごく良い。
30年ぶりに再会した二人の会食場面など、見入ってしまった。
目の動き、顔の表情、笑い方、全てが役に嵌っていた。
「盗賊に良いも悪いもない」とはいうものの「人としての生き方」は何時の世も変わらない、と思う。

鬼平ものは、原作がしっかりしているので、安心して見ていられる。
1989年から続いているこのシリーズは、エンディングのテーマ曲と映像がずっと変わらないのが良い。
多分、今では撮影が不可能な場面もあるのだろう、と思いながら見ていた。
リサーチすると、第一作からのシリーズ全体の細かな情報が「鬼平犯科帳・中村吉右衛門」で出てくる。
興味のある方はどうぞ。
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