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歌舞伎座 鳳凰祭四月大歌舞伎を観劇

2ヶ月続きの歌舞伎座招待

今月の四月は、「歌舞伎座新開場一周年記念」の興行。
先月は松竹経営百周年・新歌舞伎座こけら落としだったから、四月は一周年ということ。
昼の部が良いとサーヤの希望で、4月5日の昼の部を招待してもらった。

11時開演なので、10時半くらいに着くように出かける。
3月の夜は、寒くて雨模様だったのに、今日は春らしく晴れている。
ただ、まだ風は冷たいのでコートが欲しいくらいだった。
歌舞伎座

今回の歌舞伎座正面の写真は、屋上にチラリと桜の木が覗いているのが春らしい。
終演後、5階にあがってみると、「阿国桜」という名の枝垂れ桜だった。
歌舞伎の祖とも言われる「阿国」の桜で、いかにもふさわしいのだが、本当にそういう名の桜なのか、ただ名づけただけのことかは分からない。
阿国桜

演目の最初は「寿春 鳳凰祭」の新作舞踊。
王朝絵巻の、華やかな衣装が目を奪う。
4名の女御がそれぞれに装いを凝らして登場し、優雅に庭遊びを舞う。
十二単の盛装での舞いは、重くて男性でないと難しそうだ。


5名の大臣・従者を、若手の役者たちが演じていて爽やか。
最後に帝役の重鎮の役者が、しっかりと締めて幕になった。
ユフィは平安期の舞台は、宝塚以来の鑑賞になるのだが、あの重い衣装での舞いは、「男性でないと難しいだろうな」と感心したし、さすがに衣装は本格派だった。
プログラム

現在、宝塚も百周年記念を4月10日から公演中。
銀座の両端で百周年の公演とは、おめでたいし、日本の演劇の奥深さを思ったりする。

この幕間の15分間に、サーヤは「白玉入りたい焼き」を求めにダッシュして、30個限定の内の2個をゲットしてきた。
開幕前に並んだの行列の中に、和服姿の男性もいて、水色の足袋に黒エナメルの草履姿が格好良かったのだが、この日の観劇には和服の女性たちが目立って多いのが目を引いたが、素敵な着こなしの人は多くはなかった。

3月の2階席では、舞台に向かって左端のほうだったのだが、前の席に大きな男性が座っていて邪魔で観にくかったのが、今回は反対側の向かって右端近くで、最後まで前は空席のままでラッキー。
よく鑑賞できたし、落ち着いて観ることができた。

二幕目の「鎌倉三代記」が、サーヤには途中からチンプンカンプンになったらしい。
新聞評によれば、役者の地力が求められる至難の狂言とのこと。
幸四郎の藤三郎(実は高綱)が、井戸に入ったり出たりで変わるのが、サーヤには理解できなかったのだろう。
字幕ガイドが手元にあっても、全幕を把握していないと、「絹川村閑居の場」の一場では分かりにくいのは確かだ。

この幕間の30分間に予約した「会席弁当」を食べに行く。
4月から税率が8%になったので、2.100円の弁当は2.150円に値上がり。
春らしい綺麗な盛り付けで、品の良い味付けと共に大満足。
歌舞伎座特有の模様のゴーフルのお菓子の見本が配られ、お土産にする。
ゴーフル

三つ目の「寿 うつぼ猿」は、舞踊劇でもあるし、内容が簡単なのでわかりやすい。
お馴染みの狂言を歌舞伎用にアレンジしたもので、女大名は歌舞伎特有の味付けになっている。
純粋な女舞ではなく、少し無骨な味わいのある女舞が、役者と合っていてユーモラスだ。
猿曳きの寿太夫を、癌闘病から復帰した三津五郎が演じていて、逃げ出した猿を探して花道に現れると、万来の拍手と掛け声。
いかにも「歌舞伎の観劇」という味わいを満喫する

舞の軽妙さと、猿に対する愛情の表現が名優らしい。
弓矢を入れる「うつぼ」に猿の皮を所望されて、泣く泣く別れを告げ殺そうとしてできない情の深さを、幼い猿の子役と共に舞うのだが、子役の猿の可愛いこと。

歌舞伎役者の子息が子役として勤めることの多い猿は、帰宅後リサーチした結果、劇団の少女子役と分かった。
すごく小さく幼い様子だったが、年齢的には大きいのかもしれない。
なるほど、劇団の子役を使っているから、猿役の名前が載っていないわけだ、と納得。

さて、一番の見ものとされる「曽根崎心中」
ポスター
藤十郎一世一代の当たり狂言は、新聞評によれば「型にとらわれずリアルな人間追求」なのだそうだ。
82歳にしての10代の女役は、ときには可憐にときには強く、「おんな」のかわいさと一途
さを表現していて流石の演技。
白塗りの化粧で隠しているとはいえ、身のこなしや声には老いの影はまったく見えない。
お初

1300回以上も演じてきた「お初」には、特別な思いもある様子。
歌舞伎座新開場一周年記念として、「字幕ガイド」が半額の500円になり、幕間に藤十郎の話も載ったらしいのだが、休憩中は走り回っていて見損なったというお粗末。

この心中ものは、字幕ガイドでもしっかり全幕説明付だから、サーヤにも理解はできたらしい。
腰痛を堪えつつ、よく寝ないでがんばったな、と感心したくらい。
メガネを新調したので、舞台はよく見えていたし、オペラグラスは持参しなくて正解。
ただ、字幕ガイドが見にくく、メガネをはずしたり掛けたりで忙しかった。
そして、サーヤは腰痛で、ユフィは目で、とってもとっても疲れてしまったのだ。

贅沢な話だが、次のチャンス・招待には、どうしよう?の雰囲気。

終演後、5階でお茶をしてから、3月は雨で出られなかった屋上を見て回った。
「先人の碑」と「前歌舞伎座の瓦」が、緑の中に据えられていた。
碑 瓦


一週間後、お土産の銀座鹿の子の「銀鍔」で煎茶を煎れながらの家族の時間。
サーヤは食べ物の話ばかりするし、腰痛で「もう、歌舞伎はいい」と言う。
ユフィは観たいけれど、疲れ方が尋常ではなかったので、考え中。
歌舞伎みやげ 鹿の子の

招待券の余りは、果たして来るのか来ないのか?


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 團と菊 歌舞伎座新しくなった と言うけれど
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