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IHIアトリウムコンサートでウィーンの音楽鑑賞

第7回IHIアトリウムコンサー
『ベーデンボルクトリオ』  ~ウィーンからの風~


はい、イソイソと豊洲にあるIHIビル1階アトリウムコンサートへ行って来ました。
スウェーデンのバイオリストと日本人のピアニストの間に生まれた3人兄弟、本場で鍛えられたハーモニーが素晴らしいらしい

 
『ベーデンボルクトリオ』として活躍中で、長男和樹氏と次男直樹氏は「ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団」所属のヴァイオリストとチェロ奏者。
そして、三男の洋氏はソロピアニストとして活動中。
兄弟3人の「ピアノトリオ」が、見事なハーモニーを奏でる【ウィーンからの風】の演奏会。

とても楽しみにしていたのに、サーヤが体調不良で会社から呼び出しがあり、ジャックが飛んで行き、会社の診療所から昭和大学江東豊洲病院の検査まで付き合って、帰宅したのが4時過ぎ。
なんと間の悪いこと、コンサート後は皆でお鮨を食べに行く予定がパアになった。

慣れない付き添いと少しの心労で、すっかり草臥れてしまったジャック。
コンサートは止めてのんびりしたいらしい。
IHIアトリウムコンサートには、ジャックと一緒に2回出かけている。

1回目は越してきてすぐの2016年9月、『東京フィルハーモニー管楽アンサンブル』8名の管楽器奏者が演奏するスタイル。
私達と同様にご近所の老若男女が続々と集ってきて、400席はすぐに満杯。
曲もわかりやすい「ディズニーの名曲集」とか「3つのわらべうた」「となりのトトロ・メドレー」等、親子で楽しめる曲が多く、小さな幼児も大勢聞きに来ていた。

別にクラッシックが好きという訳でもないユフィ、自室でクラッシックをラジオで聞いたりもするジャック、無料で楽しめるのなら喜んで参加させていただきたい。
普通のコンサートでは、無料とは行かないから「かなりの出費」は覚悟しなければならないし…。

引っ越す何年か前までは、亡き「髭の殿下・三笠宮崇仁殿下」開催の「白柏会コンサート」には毎年参加していた私達夫婦なのだが、その後はサッパリとご無沙汰状態。
引越しが縁で無料とは言え、ちゃんとしたコンサートが聴けるチャンスに恵まれてとても嬉しい。


ただし、チラシには「未就学のお子様は、保護者同伴でご静聴願います。」とあるのだが、前回の子どもにも親しみやすい曲が多く楽しいコンサートならともかく、今回は子どもは「少ないよな」と思ったユフィの考えは甘かった!
クラッシックコンサートに幼児の声は邪魔というか、考えられない。
しかもソロピアノの場合は尚更だし、音響が物凄く良いから魅力半減。
演奏者に対しても、とても失礼だよね。

気分を変えて、3兄弟の登場の仕方から…。
最初に三男のユリアン・洋氏の登場、黒いシャツにズボンとベストというシンプルなスタイルに、オレンジのネクタイを下半分シャツに入れ、袖は捲くったシャープな姿。
ネクタイは長くてはピアノ演奏に邪魔になるし、シャツのカフスも弾きにくいのだろうな。
兄弟を見ても髪は濃いようだし、頭が坊主なのはストレートな性格だから、かな?


最初の「愛の歌 献呈」は静かで優しい曲、作曲シューマン、編曲リストという物凄くロマンチックな「クララとの結婚前夜に作曲」と言うもの。
華やかさも併せ持ったとても綺麗な曲なのだが、何処かで赤ちゃんの叫び声が響いて興を削ぐ。

2曲目は、クライスラー作曲でラフマニノフ編曲の「美しきロスマリン」。
ピアノとヴァイオリンの二重奏。
長男の和樹氏は、ちょっとワイルドな黒い髪と髭の持ち主で、暗い色調のスーツ姿だった。
美しい女性の姿を彷彿とさせる曲で、ぴったりと息の合った演奏が聞き応えもあって素敵。
だが時々赤ちゃんの声が入って『イライラ』させる。

3曲目は、ソロピアノで「愛の悲しみ」。
もちろんとても綺麗な静かな曲なので、遠く微かだけど叫び声が響いて邪魔をする。
何処に居るんだろう、トイレの中かな、どうして出て行かない?
どうしても聞きたかったから、赤ちゃん預けられなくて連れて来ちゃったのかな、いろいろな想いが交錯してゆっくりピアノを味わえなかった。

4曲目、「フィガロ」はロッシーニ作曲、映画音楽でも有名なマリオ・カステルヌォーヴォ・テデスコ編曲のチェロとピアノの二重奏。
低く重厚な音とピアノの軽快な音が組み合わさってとても楽しい演奏で、赤ちゃんは帰ったかなと思わせてくれた。(曲に紛れて声が聞こえなかっただけと後で分かったけど…)
半白の豊かなヘアと静かな端正な面立ちの次男・直樹氏は、黒っぽいスーツ姿で落ち着いた雰囲気。


5曲目のシュトラウス作曲、ブシホダ編曲、『バラの騎士のワルツ」はソロピアノ。
美しく流れる曲の合間に、またもや赤ちゃんの声が遠く被さる。
前の席のご夫婦が、何度も苛立たしげに振り返るのでユフィも思わず振り返って探したくなってしまった。
無料だし、主催者が子ども連れを禁止している訳ではないし、どうしても聞きたいのかな、気の毒に、なんていろいろ考えて落ち着かない。

6曲目のハイドン作曲の「ジプシートリオ」は、ヴァイオリン・チェロ・ピアノの三重奏。
その前に3兄弟のインタビューがあり、混血を感じさせないほど日本的な風貌についてや、食の好みなどが語られたが、三人三様の全く異なった雰囲気が楽しかった。


軽やかなピアノ、優しく強弱をつけた音のヴァイオリン、重厚なチェロの見事なハーモニーは素晴らしく、赤ちゃんの声も聞きにくいくらいの迫力だったから、充分に堪能できた。
本当ならもっとゆっくりとアンコールまで聞きたかったが、マンションの部屋で「すしざんまい」からの出前と、お腹を空かしたジャックとサーヤが待っているので、立ち見でいっぱいのアトリウムを後にした。

すぐにIHI前でバスに乗れて、7時半には帰れたからホッとした。
でも、聞分け良く静かに観賞できる小さな子もいるのに、乳幼児は難しいよね。
本当に音楽の好きな人は、他の人への配慮もできるるはずだから、乳幼児は連れて行かないほうがいいし、騒いだらすぐに退出すべきだし、主催者も注意すべきだと思う。
独りの人の心得違いが、何百人もの人の楽しみを壊しているのだから…
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