やましたさんちの玉手箱
ジャックの記事
連載
01 陶器のある散歩道 絞り染めのある旧東海道 常滑から有松まで
02 一番早い春 指宿の菜の花
03  水の都の本場は 松江だ 夏でも冬でも水は心だ
04 宇和島へ みかんを味に行く
05 春はタンゴに乗って 北近畿たんご鉄道
06 雪の壁を見に行く 立山・黒部 アルペンルート プラス さくらえびとほたるいか
07 花燃ゆ 萩の町 または夏みかんの里
Powered by amaprop.net
TOP > 外出 > 旅行

日本感覚旅行

05 春はタンゴに乗って 北近畿たんご鉄道

 たまに新幹線に乗って、なんとなく車窓を眺めると、景色がビュンビュン飛んで、気分が悪くなります。そうだ、これは汽車じゃなくて新幹線、移動のための乗り物だった、と思い出す次第。そこへ行くと、乗り換えた在来線には車窓の景色があって、もっと奥のローカル線に乗れば、手の届くところに自然がありますね。特に、暖かくなってきたマチやノハラは心も温かくなります。
 ということで、「北近畿たんご鉄道」をご案内。といってもアルゼンチンのあれ、ではなくて、丹後の意味です。京都府の福知山から、兵庫の豊岡までの行程。京都からだと山陰線で、大阪からだと福知山線で、それぞれ福知山まで。
 細かいことですが、京都から行く時には、右側の席に座ると、まず保津川沿いの緑の眺めが楽しめ、福知山に近づくと由良川の川面が見られます。

福知山城
福知山城遠望
福知山市内
静かなたたずまい、旧市街


福知山駅の名物 鮎ずし

タンゴのステップは 福知山から
 たんご鉄道に乗る前に、まずは福知山。戦前は「軍都」と呼ばれ「旧陸軍歩兵二十連隊」という大陸への前線基地となったところ。戦後は「商都」といわれて、山陽道、京都、大阪から山陰、北陸への交通の要所となって、日本海側の有数の港・舞鶴港を控えた都市として栄えてきました。
たんご鉄道電車

鬼伝説の大江へ
 たんご鉄道でまずは大江で途中下車。大江は「鬼伝説」で有名なところ。大江山といえば、こんな歌知ってますか。
  むかし丹波の大江山
  鬼ども多くこもりいて
  都に出ては人を喰い
  金銀(かね)や財宝(たから)を盗みゆく
 昭和初期の子供たちは、「酒呑童子」伝説の絵本として、こわごわ眺めた、といいます。しゅてんどうじ、と読むのですが、最近はスナックや居酒屋にこんな名前を付ける所があって、「さけのみわらし」なんて言う人もいる、と地元では嘆く人もいるとか。

 駅舎の二階は全国の鬼瓦を集めた展示室。駅前には鬼の面を埋め込んだ壁。鬼の噴水など鬼づくし。中でも人気を集めているのは「日本の鬼の交流博物館」。
 平成5年に完成したものですが、全国の鬼を求めて町の職員が行脚したという努力の結晶。『鬼は人間の力を超えたもの、なかでも自然の猛威と恵みへの畏れや憧れが、その原像。人々の心にすみついて、暮らしに禍や福を与えるものとして育まれつづけたもの』というコンセプトがあります。
 訪れる年配者は酒飲童子をなつかしんで、若者たちはある種のアートとして、子供たちはメルヘンとして、それぞれ楽しんでいるようです。
大江 鬼の噴水
駅前 鬼の噴水

鬼の壁鬼の敷石
鬼の博物館 全国の鬼が集まっている
 館内の鬼の絵の展示の中に「成田 亨」の名前がありました。知る人ぞ知る、あのウルトラマンの画の生みの親。そういわれれば、ウルトラマンて未来の鬼の風貌なのかもしれません。

天橋立はなぜ股のぞきなのか
 再び「たんご宮福線」で天橋立の宮津へ。早速、股のぞきを体験しに傘松公園へ。ケーブルカーで3分。降りたところですぐに股のぞきするところがあのますが、「股のぞき発祥の地」という看板があり、3分登っていちばん見晴らしのいいところ、というわけで、発祥の地まで。
 ところで、なぜ股のぞきなのか、なのですが、眺望が広くて一目でまとめられないところから、一つのフレームとして始まったのだとか。実は、袖のぞきというのもあるそうで、逆さまになってのぞいているのはけっこう息苦しくなってくるもの。3分登ってきてすぐやると、いっぺんに血が逆流しそうで、高血圧者には危険。まずは袖のぞきからが、おすすめ。
天橋立股のぞき
股のぞきの台の上でケーブルカー
確かに景色だけだと焦点が無い、人が入って景色と成る

岸壁の母 歌っちゃいそう
 舞鶴へ。戦後の大陸からの引き揚げ船の着く港として、これまた年配の人には忘れられない名前です。港湾があまりによく見えすぎる、ということで、しばらくは建築の許可が下りなかったという五老ヶ岳。近畿百景の第一位という看板のある五老スカイタワーからは、確かに360度の景観、軍港眺めも雄大。
 「舞鶴引揚記念館」は、終戦後の中国大陸やシベリア抑留などの厳しい生活や、引き揚げ時の悲喜こもごもの展示は、広島や沖縄の記念施設とはちょっと様子が違いますが、なかなかニュースに載りにくいところでもあります。少し時間をかけて寄りたいところです。
 途中、左右にある樹木に木札が立ててありました。戦時中の戦友を偲んで建てられたと思われるものです。特に意味はなかったのですが、普段は見慣れない文字に、気、を引かれて、写真を撮りました。
舞鶴戦時中の部隊の記念樹  
舞鶴引揚記念館公園

五老山から舞鶴軍港
 昔の桟橋の見える展望台に行きましたが、拡声器から「岸壁の母」や「異国の丘」のテープが流れています。つい、歌っちゃいそうでした。

わんこそば ならぬ さらそば
 ここまで来たら、脚を伸ばして食してほしいのが、出石町(いずし)。豊岡から車で少し。おそばが好きなら寄って行きなさい、と勧められました。盛岡のわんこそば、は小さな椀に入っているのですが、こちらは「皿そば」。盛岡が、お客の肩越しに次々とそばを入れていくのと違って、こちらは注文する時に、予定の皿数を頼みます。そう、お皿に載ってきます。マイペースで食べられるので、ゆっくり味わえます。ただし、ゆっくり食べていると、途中でお腹一杯になってしまうので、ある程度のスピードは必要。

 このお皿ですが、出石焼きとちいうシンプルな陶器にも関係があるそうで、“私の家(店)にはこれだけのお皿を用意できます”というお客様の注文には応えられますよ、という風習からの産物ということです。
 ここでも「大食い大会」があるそうです。今年は4月20日(日)。仮装賞や和装奨励の特典もあるようです。それにしても、街中のそば屋さんの多いこと。街の前後左右、そば屋の看板。群馬の水沢うどん、盛岡わんこそば、有名ですが、そば屋の数は出石が日本一ではないでしょうか。
出石の皿そば
まとめて出てくると戦闘意欲がわいてくる

出石の時計台
出石町の象徴 時計台
Powered by amaprop.net
▲ページTOP