やましたさんちの玉手箱
サーヤの記事
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01 晴れ女の自信喪失 土砂降りの秋田市内観光
02 晴れ女復活 二ツ井の大自然を貸切
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秋田ぶらり一人旅

02 晴れ女復活 二ツ井の大自然を貸切

秋田ぶらり一人旅、二日目。
本日は奥羽本線つがる1号(8時半発)に乗るため、6時過ぎに起床して7時前に朝食バイキングをとるためレストランに向かう。

………が、そこにはサラリーマン団体が長蛇の行列。
研修か何かで宿泊していたらしい、だからシングルがとれなかったのかな。
仕方なく最後尾に並ぶが、ちょっと時間がやばい…皆さん同じ会社・部署なのかおしゃべりしながら迷いつつゆっくり料理を選んだりしているし…。

10分経過。まだ皿すらも取れない状態。焦る。すごい焦る。

普通の客も交じってるんだから(数人程度)とっととやってくれよ!(怒)

15分過ぎてやっと皿を手に取り、サッサと料理を取って席について急いで食べる。
…ので、その写真を撮る余裕はなかった。(食べ終わってから撮り忘れたのに気付いた)
でも、秋田キャッスルホテルのバイキングではオムレツをその場で注文してお好みの食材と焼き加減で作ってくれるのだが、とても美味しい!慌てて食べたけど。
あと手作りらしいクロワッサンも美味しい、オススメです。慌てて食べたけど。

食事を終えて、すぐにチェックアウトしてホテルを出る。予定の時間ギリギリ。
大雨の予報のはずだが、ホテルを出た時は小雨程度。スマホの天気予報を改めて見ると、雨時々曇りになっていた。これは大雨にならずに済むかな?

奥羽本線つがる1号に乗車し、1時間くらいで二ツ井駅へ。
列車に乗っている間に雨は上がり、曇りになってきたがなんか…徐々に…明るくなってきたような…。

二ツ井駅到着。
あれっ…青空が見えてきてる太陽が出てきてる…。
雨の予報どこいった!?


観光タクシーの運転手が駅の改札口で待機しており、ごあいさつ。
「よろしくお願いします、なんか晴れてきましたね」
「晴れましたね」
大雨の予報だったり、通行止めになったり、コース変更の連絡があったり、いきなり晴れたりなので、予定が狂ってまずは観光コースを相談。
一番の目的は「白神山地世界遺産センター」なので、ひとまずそこに向かう。このセンターまでは通行止めになっておらず、その先に進めるのかはセンターに向かってから判断することにした。


「白神山地世界遺産センター」
タクシーで30分足らずで到着。開館したばかりの時間なので他に観光客はおらず。
入口には「大雨につきこの先は通行止め」のチラシが貼ってあり、運転手が今の状況はどうなっているのか受付に聞いてみるが、現状はよく判らないとのこと。


世界遺産だけにちょっと硬派な感じかなと思ったら、何だか子供が楽しんで学習できそうな感じの施設だった。
展示スペースは一階のみで、あまり広くはないが、そこに色々とシンプルに詰め込んでいる感じ。色々見られて楽しかったが、情報量が多すぎて正直あまり覚えていない(笑)


個人的に興味深かったのは二ツ井から白神山地の模型地図。観光のために地図は見てきていたのだが、やはり立体的な模型の方が判りやすくて、白神山地のスケールの大きさがなんとなくわかるのだ。
それに、サーヤは「模型」ってのが好きなんだよね。どんな絵でも題材でも模型となるとじっと見入ってしまう。

さて、一番の目的地であったセンターも済ませて、この時の時刻は10時半頃。
角館に行くために二ツ井駅を出る列車は午後1時40分発なので、まだ3時間ほど時間がある。
センターのすぐ近くに「峨瓏の滝」があるので行ってみたいと運転手にお願いして向かう。車で5分程度。


「峨瓏の滝」
パンフレットやインターネットの観光案内では必ず観光客が何人も映り込んでいたのだが、向かってみると誰もいない
というか二ツ井駅で一緒に降りた登山スタイルの男女二人以外、観光客をまだ見ていない。かなりの閑散期らしい。大雨の予報+通行止めでキャンセルもあったかもしれない。

二ツ井の名所を独り占め状態!(運転者さん居ます)
「昨日が大雨だったので、滝の水の量がかなり多く、迫力が出ています」
「そうですね、写真よりも勢いがあって涼しいですね」
「マイナスイオンがたっぷりです」

さて、問題はここからどうするか…時間はまだまだタップリある。
「通行止め、どうなっていますか」
「行ってみないとわかりませんが、多分上の方行けます」
「あのう…この太良峡まで行きたいんですが、行けます?」
「ああ、でしたらこの上の方の岳岱自然観察教育林まで行きましょう、樹齢400年のブナの木が見られます」
「えっ!?そこまで行けるんですか!?帰りの時間大丈夫なら行きたいです」


地図の赤丸を参照。
一番下が二ツ井駅、大雨で通行止めになっているのは世界遺産センターあたり。晴れているのでもっと上の方まで行けるかもということだった。

では、行ってみよう!
幸い通行止めは解除されており、山の上は曇っていたが雨が降る様子もなく、どんどん先まで行けそうな感じ。

「太良峡」
樹齢200年以上の秋田杉がある谷であり、ここから見える渓流が見事というスポット。
川の方まで下りて散策することもできるようだが、ここでは橋の上から眺めるのみとする。

緑深い初夏の頃に訪れたが、紅葉の時期が一番人気あるらしい。
ここも昨日の大雨で川の勢いは強く、自然の息吹がなんとなく感じられる光景だった。
ここも観光客は一人もおらず、独り占め状態。

「ここは鉱山地域で、当時はこのあたり栄えていた。あちこちに鉱山の名残が残っています。あそこの削られた崖とか」
「鉱山ですか、このあたりに住んでいた?」
確かに鉱山の名残はあるが、周囲は谷が深く緑の多い場所で住居があるとは思えず驚いた。

「予定通り、岳岱自然観察教育林いきます。ここから30分くらいかかります」

しばらくタクシーで走り、だんだん道が狭く険しくなっていく。タクシーが通れるくらいの道で、トラックなどは通れそうもない山奥である。
さて、実はサーヤは家族が車を持っていないこともあり、非常に乗り物酔いしやすい体質なのである。こんなこともあろうかと評判の良い酔い止め薬を服用していたのだが、すごいよく効く!全然酔わなかった。
それがこのアネロンという薬である。超おすすめ!
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「岳岱自然観察教育林」
白神山地の原生的なブナ林の雰囲気を気軽に味わえる森で、ブナの実生~稚幼樹~幼木~成木~老木に至る生育過程を観察することを目的とした場所らしい。
白神山地は原則不可侵であり、ほんの端っこに少しだけ登山コースがあるのだが登山に慣れた人でないと無理だとのこと。
ハイキング程度で白神山地の雰囲気を楽しむなら、ここが良いらしい。

いくつか回れる場所があるのだが、帰りの列車の時間を考慮すると、樹齢400年のブナの木があるところまで、ということになった。

入口から中に入ってみると、確かに雰囲気は白神山地のものに近い。白神山地がブナの木の密集地帯なので、こんな感じなのだろう。
この時、天気は曇ったり晴れたりなので、時々景観が変わったりして面白い。


雨上がりなので、かなり緑の香りが強い。水滴も残っているのでマイナスイオンもたっぷり~という感じ。
歩道はチップを敷き詰めているのでフカフカして柔らかく、歩きやすい。

そしてやっぱり、観光客は一人も居ない。この大自然を独り占めしているのか…一人旅ということもあって、この大自然の中を一人だけで歩く(運転手さんいます)という経験は今までになく、ものすっごい贅沢な気分である。


大自然の中を歩く…というより、埋もれていく気分…

樹齢400年のブナの木に到着。
写真だと判りづらいが、けっこう大きくて太いブナの木であり、周囲の木々と比較しても巨大な木が突如現れてドーンと構えており、神々しさを感じる。

柵があるのでこの先には進めず、触れることはできない。(触れちゃダメだろう)
まさか晴れるとは思わず、晴れていたとしてもここまで奥地に入れるとは思っていなかったので予想外の幸運に大感謝である。
ここまで連れてきてくれた運転手さんに感謝。

じっくり堪能したところで、二ツ井駅に戻ることにする。
帰りの道中で、運転手さんが地面から植物をちぎり取って、皮をむいて説明してくれる。
「これはミズといって、秋田では一般的に食べる植物。別名はうわばみ草と言います」

引用/山のめぐみ図鑑
へぇ、そういう食品用植物があるのは知らなかった、ミズと聞くと「水」を連想するし、うわばみ草…なんでそう呼ぶのだろう?
帰宅してから調べてみた。
由来はいずれも推測の域ではあるが、「ミズ」というのは「芯が柔らかく水分が多い」からで、「うわばみ(大蛇)」というのは「蛇を水の象徴としており、大蛇が出そうな所に生えているから」だそうだ。
で、このミズ・うわばみ草はいま説明を受けただけで終わるのだろうと思ったが、実はこの後に泊まる旅館の料理に出てくるのである。その話はまた後で。

ここから二ツ井駅まで1時間ほど。延々と山の中を走るが、ずっと川沿いを走っているので景観的に楽しめるものばかりで、退屈はしなかった。
まっすぐ二ツ井駅に向かうかと思ったが、運転手が「まだ時間がありますので、駅の近くでオススメの所へ案内します」と、そこに向かう。
そういえば大雨で通行止めになった時は駅の周囲を観光するという話だったので、そこも案内してくれることになったのかな、でも何があるのが予習してなかったので全く予想つかず。
そこは…


「きみまち阪公園」
明治天皇が東北巡幸で立ち寄った場所であり、皇后が「ここで待っています」と天皇に手紙を出したことが由来となって、「きみまち阪」という命名を天皇から賜ったようだ。
むろん、この由来だからデートスポットとして有名なのである。


恋文ポスト。ここに手紙を入れると、ハート型の消印が押されるんだそうだ。
いかにもデートスポット(笑)


このハート形のモニュメントには、鐘がついており、愛する人と一緒に鳴らすと幸せになれるそうな。
いかにもデートスポット(笑)


だが、何よりも一番の見ものは広大な景観である。
「秋田で一番有名な米代川は、ここからの眺めが一番良いです。昨日の大雨で川は茶色に濁っていますが、向かいにある七座山をぐるっと回っていて、川が一番大きく眺められます」


七座山は文字通り、七つの山が並んでいて、正面からは一つに見えるが、横から見ると七つの山が連なっているように見える。

あと県立だけあって自然豊かでキレイな公園である。予想外に広い公園なので、二ツ井に観光に来たならぜひ訪れた方がいいね。
この時がっつり晴れていたのでより美しく見える…。


秋田杉と鳥居

「これは秋田杉で、なかなか手に入らず大変貴重な材木です」
なぜ貴重なのか帰宅してから調べてみたところ、秋田杉は天然と造林があり、天然は伐採が禁止されているため、流通するのはごく稀だそうだ。
また造林と比較しても差が大きく、天然のものは丈夫でかなり美しいのだそう。淡紅色で、香りが良く、日本三大美林の一つとして有名なんだとか…。

さて、ここのきみまろ阪公園でも、通りすがりに二人のオバサン観光客とすれ違っただけで、ほぼ大自然一人貸切状態
梅雨というシーズンオフなど、色んな条件が重なった結果だが、今後一人旅をするとしてもここまでの大自然貸切状態はもうないんじゃないかな…かなりラッキー過ぎたと思う。

二ツ井駅に到着。
「ありがとうございました」
予定では2時間半で定額の料金を支払うことになっていたが、列車の時間ギリギリまで案内してくれたので3時間を超えている。割増料金になるかと思ったが、2時間半の定額料金で良いとのことだった。
再度「ありがとうございます!」

さて、再び奥羽本線のつがる号に乗って、鷹巣駅まで10分。
鷹巣駅から秋田内陸線に乗って角館に向かう。


「秋田内陸線」
別名スマイルレールとも呼び、秋田県を縦に横断するローカル路線であるが、実際は地元の人はあまり利用しておらず、主に観光客が利用しているようだ。
確かに乗り込んでみた時、車内はほとんどが観光客という感じだった。
ジャック父によると「阿仁合」や「阿仁マタギ」駅での観光がオススメだが、本数も少ないし泊まり込みでないと時間がないとのことなので通り過ぎるのみとなる。

まさかの一両列車である。
座席が秋田犬のデザインになっている。


窓側のカウンターに路線図があり、犬の肉球マークが…かわいい…肉球マークがあるところは急行停車駅。サーヤが乗っているのは急行である。


出発して少しすると、突然にガイドさんがマイクで「窓の外を見てください」とアナウンス。えっ、ガイドさんいたのか!?列車専属のガイドさんらしい。車内販売もしている。
窓の外を見てみると…なんと田んぼアートが!

この列車は田んぼアートも名物らしく、列車から見える場所に描かれていた。ということは、春~夏が田んぼアートが見られる期間?
ところで…犬に挟まれたこの真ん中の人物は何をあらわしているのだろう…宇宙人…?


次はなまはげアート。なかなかの迫力。お上手。


次は秋田犬が秋田竿燈まつりをやっているアート。他にもいくつかあり、秋田県の風景も眺められてなかなか楽しかった。

こうして晴れ女復活!な感じのサーヤの白神山地観光は大満足で終えられた。
この列車で角館に向かい、そこで宿泊して三日目は角館観光をする。

その飛び込みで予約をとった角館の旅館というのが…。

つづく
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