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渋谷宮益坂・御嶽神社で初めての「酉の市」

きっかけは産経新聞の「ひなちゃんの日常」。このカラー漫画はその時の季節のイベントなど古き良き日本の伝統を物知りおじいちゃんが3歳のひなちゃんに教えるという形で描いてくれるので「こんなの知らなかった!」な情報もある貴重な漫画である。オススメ。
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さて、11月に入ってこの漫画で酉の市の話題があり、酉の市を見てみたくなった。サーヤは今までに行ったことがないのである。

ジャック父に言わせると、下北沢在住で酉の市に行くなら渋谷宮益坂の御嶽神社がいいらしい。
酉の市って日にちがわかりづらく(11月の酉の日にやるものなので調べればわかることだが)、去年に家族で赴いてみたときは日にちを間違えたらしくやっていなかった。

そして今年、最近通い始めた青山通りの接骨院の帰りで神社前を通りかかった時、酉の市の看板を見つけたのである。
これで日にちを間違えることなく行くことができるぞ!
酉の市の開催日の看板
なお、酉の日はその年によって2回だったり3回だったりするようだ。今年は三の酉まであり、二の酉の17日に家族と待ち合わせて行くことにした。
酉の市を開催するたいていの寺社では同じ日になるが、寺社によっては土日や他の日に開催することがあるので、まずは近くの寺社に問い合わせるなどして確認してみよう。

さて、酉の市とはなんだろうか?
当初は収穫祭の市場として、農機具や農作物、古着などを露店で商われていたようだ。
その中で熊手も売られており、次第にさまざまな飾りつけをして金銀や運気をかき集める縁起物として変化し、酉の市と言えば熊手の市場として今に至る。

さて、当日に神社前で家族と待ち合わせたところ、渋谷駅から神社前までいくつかの露店が並んでおり、じわじわとお祭りムードに。
露店
酉の市に用がない通行人でも、露店で買ったり食べたり楽しむことができる。
サーヤは会社帰りに立ち寄ることにしたので、平日の夜もやってるかな?と心配していたが割と夜遅くまでやっているようだ。

提灯に囲まれた鳥居
この神社の面白いところは、鳥居と本殿は割と本格的な造りなのに、周囲がビルに囲まれていて珍妙な光景であることだ。
この神社は室町時代の初期に創建ということで、すごい歴史が古い!発展した渋谷の中にあって残り続けているのは、霊験あらたかということで有名だかららしい。

明治天皇の記念碑
この神社は明治天皇が駒場野練兵場へ行幸の際に休息所として利用しており、ご祭神も日本武尊(天皇の皇子ヤマトタケル)なので皇族に縁がある。

渋谷で平日夜だから人は少ないかな?と思っていたがサラリーマン風の人も多く、参拝に行列ができて賑やかっていた。
本殿でお参り
魔除けや商売繁盛の神様として信仰されており、いま家族は住み替えの計画中である意味、商売をやっている(不動産の売買)のでお参りもすることにした。

さて、ここで注目すべきは狛犬である。
左の狛犬右の狛犬
全国的にも珍しい日本狼の狛犬なんだそうだ。江戸時代に作られたらしい。
こちらも「あ・うん」の構図になっており、なかなかリアルでカッコイイ。
だが、これは実はレプリカでオリジナルの方は損傷が激しく修理のうえ社務所に安置されているようだ。

お参りが終わったら、次は酉の市である。


小さな神社なので規模は小さいながら、熊手の数は大変豊富で見ごたえがある。
一つ一つのデザインが違うので見ていて面白い。



熊手は運気や金銀をかき集める縁起物であるが、これを購入するにあたって手順というものがあるらしい。

まず、最初は小さな熊手を買い、それから毎年通うたびに前年の熊手を納め、一回り大きい熊手を買っていくことになる。
ジャック父に言わせると、熊手は普通は商売をやっている人が買うものであり、商売の規模や利益に合わせて大きくしていくか判断していくものらしい。

調べてみるところ、確かに商売の規模に合わせて身の丈に合った熊手を買うもので、高望みして大きいものを手に入れればいいものではないらしい。
また、営業不振になったり、葬儀や火事があった場合は、熊手を小さくして再スタートしていくものだとか。その場合は、小さくした熊手に清めの塩を振っておくことで、さらに福を呼び寄せるとのことだ。

その熊手も、色んな飾りつけがあって「どれを選べばいいの?」と迷うところだが、これは自分の直感で「これが欲しい」と気に入ったもので良いらしい。
また飾りつけには小判やお福、フクロウなどがあり、それぞれの意味があるので、自分が必要としている意味のものを選ぶのでもいいらしい。
ちなみに小判は金、お福は幸運、だね。

ちょうどお客様が大きい熊手を購入中で、店員の方が飾りつけをやっている場面をちょいとパシャリ。

すでに飾りつけてある熊手を販売しているが、サービスで色々と追加してもらえるらしい。
そして、最後に景気づけとして皆さんで三・三・七拍子を打って大盛り上がり。

この時、お客様熊手を高く掲げ、寄り道せずにまっすぐ帰るべきだとか。
熊手は様々な運気をかき集めるので、寄り道などしたら余計なものまで寄せてしまうからだそうだ。
買うときは用事を全て片づけてから、恥ずかしながら高々と掲げて帰りましょうね。

サーヤは会社員で商売をしているとは言えないので、小ぶりの熊手を毎年買い続けるくらいでちょうどいいらしい。


というわけで、まずは一番小さな熊手を購入して飾り付けた。
どこに飾るべきか?については、まず北を避けて東・南・西を向けて高い位置に飾るのがいいらしい。
理想なのは、福を呼び寄せるということで玄関に向けること。この玄関が北向きだったら、他の向きにすればいいね。
また神棚や仏壇がある場合はそこに飾ってもいいらしい。(たぶん、同じ寺社のものに限るのだろうけど…)

さて、熊手を買ったはいいけれど、住み替えで来年は江東区の湾岸周辺に移る予定。
すると渋谷の神社には通えなくなるが、途中で神社を変えるのはアリなのか?
調べてみたところ、アリだそうだ。

まず社務所ではなく市場で購入した熊手は単なる縁起物であり、神社で作ったものではないので「お守り」ではなく「御霊は入っていない」。ので、必ずしも神社に納めなければならない、という程ではないようだ。
自宅で処分する場合は、以下の方法で清めてからゴミ処理。
1. 新聞紙を広げ、熊手をそこに置く。
2. 小皿に盛った塩を手に取り、熊手に「左・右・左」と三回に分けて塩を振って清める。
3. 新聞紙をたたみ、ゴミ処理する。


…だが、これに抵抗がある人は、近くの寺社でお焚き上げをやっている所に納める(ただし制限があって受け付けない寺社もあるので、事前に確認すること)か、年末年始の「お札納め所」に入れると良いとのこと。
サーヤが手にした熊手は社務所で巫女さんから購入したものなので、神社が作ったものになるだろう。するとキチンとした形で納めなければならないね。

江東区の湾岸周辺の有名な寺社で、酉の市をやっている所といえば、門前仲町の富岡八幡宮。うちの会社も安全祈願に神棚に祭っている寺社なので、引っ越し後はお世話になろうと思う。
今から富岡八幡宮の酉の市が楽しみである。
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