やましたさんちの玉手箱
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わが町にはケーキ屋さんが4軒あった

4軒から2軒、そして今は1軒だけ

下北沢のケーキ屋も含めたら、もっとあるのだけれど、今まで近くにあったケーキ屋は4軒だった。
わが家に一番近いお店は、その名も懐かしい「シャンテリー」という、三権茶屋に本店を持つお店。
ケーキが大きくて、甘さがほどほど、価格もほどほど。
昔風のショートケーキ・チョコレートケーキ・モンブランなどの定番が揃っていた。
我が家へ来る道の角にあったので、家へ来るお客はここでお土産に購入した、いわば我が家のお抱えケーキ屋さん。

この街に住み始めた頃からあったから、昔風のケーキの店でもあった。
サーヤの誕生日や、クリスマスのケーキは、いつもこの「シャンテリー」のいちごショートだった。
この店では、ケーキの端などの「お徳用」を安く販売していたので、おやつにはよく買ったのを覚えている。
ただ、いささか古い感覚で、ケーキ屋4件の競争に、負けてしまった感はある。

もう10年近くになるが、この角がビルに変わり、今では「セブンイレブン」になっている。
「セブンイレブン」にも美味しいケーキはあるけれど…。
「シャンテリー」は、三軒茶屋でまだ続いているのではないか、と思う。

古い店といえば、坂上の「ピエール」だろう。
私は贈答品として、よく買っていた。
生チョコレートやマカロンの美味しい店で、小田急にも出している。
この店は長く、変わらずに続いているし、リサーチでは、1971年創業とかなり古い。
私たちがこの町に住み始めた頃にはもうあったことになる。
店構えも古く、今でもその当時のままのようだ。
「シャンテリー」と違って高級感のある味わいなので、いまだにがんばっている。

そして、二つの店の中間に、小さなケーキ屋ができた。
手作り感いっぱいのケーキで、女性二人が頑張っていた。
母はなぜかこの店の味がお気に召さなかったので、何回も買ったことがない。
いつの間にか、店代わりしてしまっていたから、人気はなかったのかも。

そしてもう一軒、サーヤと私の大好きだったケーキ屋が、反対方向の半地下にできた。
なにが美味しいとは言えないのだが、複雑な味わいで魅了されたのだ。
お客様にはいつもこのケーキでおもてなし。
そして帰りに、お土産に買って買えるほどの人気だった。
決して安くはない。むしろ「シャンテリー」などに比べたら、小さい分高かったと思う。

そして、この店の味が変わる。
友人もここのケーキのファンで、息子さんの誕生日ケーキを特別注文したとき、「味が変わった」と電話をくれた。
それくらい一大事なのだ。
美味しいはずのケーキが「美味しくない」のだから。
早速店に行き、家族分を購入。
食べてみて全員一致で「今までと違う」。

そして、何日か後、2つだけ買ってから「作る人が変わったの? 今までと味が変わったけど」とそれとなく聞く。
「いいえ、変わっていません」との返事。
そんなはずないでしょ。美味しくないのだから。

いくら形や材料が同じでも、ケーキというものは生き物。
作り手が変わったら、即座に味に出てくる。
そして、1年もたたずにその店は代替わりする。

その後もケーキ屋になったが、ここも今ひとつの味。
4軒もあったのは2~3年間くらいだったのかもしれない。
小さな町に、ケーキ屋が4軒は多すぎたけれど、甘いもの大好きな私たちには、幸せな期間だったと思っている。
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