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休肝日

規則正しく 飲みましょう

 私が結婚した直後、15歳年上の長兄が“お前も毎晩晩酌するようになるだろうから、週に一日くらい酒を抜く日を作ったほうがいいぞ、俺は今月曜にしている、そろそろ二日に増やそうと思っている”というので私も実践することにしました。真面目にというよりは、いつまでも健康に飲めるようにと言う、いじききたない、動機です。
 会社の同僚に決意を述べることから出発、会合や付き合いのやむを得ない場合は翌日と、決めました。
 ところで、月曜に酒を飲まないということは、妻にはとくに関係のないこと。従って食事のおかずは今まで通りに出てきます。これが困る。どうしても、おかずを見ると飲みたくなる。つらい。そこで相談しました。妻は“それじゃ月曜はカレーにしましょう、多分カレーでお酒は飲みたくないと思うけど”と。これは当たりました。カレーじゃゆっくりたべても10分もかかりません。

 以来30年にもなりますが、未だに我が家は『月曜はカレーの日』が続いています。ところで数年前、私は月曜休肝日・カレーの日をワリと、自慢げに話すことがあったのですが、行きつけの居酒屋で隣り合った初老・訳あり人から“あなたね、そういう体に不規則なことは、ほんとうは体によくはないんだ、飲むんだったら毎日飲まなくちゃ”といわれたのですよ。「目から鱗」私の目は大きいほうですが、人生で一番大きな鱗がこの時落ちました。しばらく口がきけませんでしたよ。
『飲み続ける』ということと『規則正しく飲む』ということはずいぶん気分的に違うようなのですが、実は同じ意味だということを初めて知った次第。以来、月曜日のカレーの日は綿綿と続いていますが、この日の私のおかずは、数品の佃煮や揚げの変わり焼き、など、お燗は面倒をかけるので、お酒は常温、湯飲みで。締めはお茶碗カレー。
 お酒の話に変わりますが、数年来飲んでいるのは、実は「合成酒」米、米麹といった原料の他に、醸造アルコール、糖類、調味料、酸味料などを加えたもの。10年年上の兄が愛飲していたもので、その頃茶色の一升ビンで「三楽」、私も高校の頃からお裾分けいただいていたもの。今は、紙パックになっていてどの合成酒も「品格」ありませんが、ビンから注ぐ兄の顔は酒飲みの顔でありました。兄によると、当時勤め先の近くに『浅草バー』という今で言う居酒屋チェーンがあって、メニューには一級酒、二級酒、の隣に『お酒』というのがあったそうです。
 今飲んでいるのは『由縁の月』なる銘酒、味わいすっきり、燗でよし、常温でよし、コンビ二ではこの種の合成酒はあまり見かけませんが、地元の酒屋で是非。
 正月の酒は毎月届けてもらっている格安の店から紹介されて、歳末限定絞りたて、という酒を。その名も『白龍 癸巳(みずのと み)』純米吟醸 無濾過原酒 精米歩合55パーセント 度数18パーセントというもの。吟醸酒というと、フルーティーな香りと味でちょっとしつこい感じのものがありますが、これは正月の寒さにぴったりの常温ですっきり辛口、合成酒で鍛えた胃袋にちょっとコクのある元旦ではありました。

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