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ソケイ(腸ヘルニア)=脱腸 始末記 その1
ソケイ(腸ヘルニア)=脱腸 始末記 その2
ソケイ(腸ヘルニア)=脱腸 始末記 その3
ソケイ(腸ヘルニア)=脱腸 始末記 その4

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ソケイ(腸ヘルニア)=脱腸 始末記 その1

それは、或る日、妙なところが、チクチク痛みだしたのが、始まりだった
 我が家は月末の週末、三人で外食を楽しんでいます。それは、下北沢にうなぎの『野田岩』へ行った時のことでした。
 うなぎは注文してからが長い。それは、いい兆候で、長ければそれだけ、さばいて、焼いてと手間が掛かるほうが本格的、という「常識」にもなっています。ジャックにはおあつらえ向きで、この間に「肝焼き」など注文して、温かいお酒などじっくり味わうのです。長ければ長いほどいい。
 で、いざ、うなぎが運ばれて、この頃には席はほとんど埋まってきています。食べ初めて間もなく、どうも、下腹部がチリチリと痛むのです。おかしいですよね、こんな所で虫に刺されるわけもなし、朝から今まで下着を変えているわけも無いので、虫が入り込むわけもなし。食べながら落ち着きません。辺りには当然お客さん、ズボンの中に手を突っ込んで触ってみる訳にもいかず、さりとて、がまんできない痛さでもなし。
 しばらくして、落ち着きました。何だったんだろう。
 帰り、席を立ってしばらくしたら、また、痛み始めました。ここはどうにかがまんして、我が家に。うなぎの講評もそこそこに、トイレに。見てみましたが、特に刺されたような跡もなし、赤くなっているようなところもなし、何だったんだろう、再び、でこの日はこれまで。

 それからは、思い出したように、毎日ではなく、チクチクが起こるようになりました。別に医者に行くようなことでもなく、二~三週間。ある日、風呂に入って身体を洗い始めて、ふと、下腹部を見ると、右のお腹が少し、膨らんでいるように見えたのです。座っていてはよく判らないので、立ち上がってみると、まさしく、膨らみが確認できます。これはおかしい、ちょうど、大き目の鶉の卵のゆで卵を半分に切って、お腹に埋め込んだような按配です。私は、これは、脱腸ではないかと思いました。

西郷隆盛は脱腸だった
 私が「脱腸」を知ったのは子供の頃でした。そのころの我が家は大きな五右衛門風呂があって、広い石の洗い場もあるものでした。当時は家に風呂のある子供は少ないほうで、みんな銭湯に行っていました。近所の子供は我が家の風呂をうらやましがり、私は銭湯の広い風呂があこがれだったのです。
 そこで、時々兄が銭湯に連れて行ってくれたのです。そこで、陰嚢が妙に膨らんでいる子供を見つけたのです。それを察した兄は“あれはだっちょうだよ、腸が下にはみ出てくるんだ”と教えてくれたのです。「だっちょう」という語感がしばらく頭からはなれませんでした。この脱腸に次に出会ったのが、大学受験の日本史の勉強の時。
 日本史の参考書の他に、「日本史こぼれ話」のような本を読んでいて、西郷隆盛が風土病で陰嚢が大きくなり、西南戦争の時には自行が出来ず、駕籠で移動していたねというはなしを読んだ時でした。脱腸だったのではないか、というのですが、真偽のほどは判っていないようです。
 NHKテレビ「八重の桜」での西郷最期の時、史実に忠実ならば、駕籠から転げ出た西郷が“もうこの辺でよか、晋どん、頼む”と言うべきところですが、まさか、そんなかっこ悪いところは見せられませんでした、あー 残念。

 そんなこと言ってるばやいじゃありません。どうしようかと思いましたが、わざわざ医者に行くこともないし、とりあえず、毎月処方箋をもらいに行っている近くの医院に行った時、先生に診てもらおう、と次の医院の訪問までがまん。始めのチクチクが始まってから一ヵ月半ていど。先生診てすぐに“ジャックさん、これ腸ヘルニアです”と。私は“自分では脱腸ではないかと思うのですが”と言ったら、腸ヘルニアのことを昔は脱腸といっていました。とのこと。先生の話では元に戻ることは無いので手術しか方法はないとのこと、手術する時は紹介状書きますよ、言ってくれました。
 その時の四方山話。年をとってくると皮膚が弱くなってきたりして、腸ヘルニアを発症する人が多くなるのだとか。便秘気味の人が、トイレでいきむことが重なって発症する人もいるのだとか。私の場合、原因とは言えないけれど、年のワリには身体を使っていて、力む状態が多い、ということも考えられる、とのことでした。

手術するか、いつするか、サポーターで凌ぐか
 原因が判れば、どう対処するか、が次の問題。私の現在の仕事場が少し特殊な環境であるために、続けて休むことがなかなかできません。いずれ手術するにしても、仕事場の環境を整える必要もあります。以後、ネットでいろいろ調べてもみましたが、とりあえずサポーターで凌ぐことにして、ネットで購入することにしました。
 サポーターを買うことにして判ったのですが、腸ヘルニアは高齢者だけではなく、スポーツ選手にも発症することがあるのだそうです。そりゃ、ふつうの人より力むことが多いですよね。重量挙げの選手が太いベルトをするのは内蔵保護のため、とはきいたことがありますが、スポーツ選手用のサポータもあるのです。私が求めたのはまあ、一般的なもの。ベルト状のものです。腹部に回したベルトから両方のソケイ部に沿ってベルトを交差させて後ろにまわすというもの。フリーサイズと言いますが、私が試したところでは私より体重の多い人、身体の大きい人には、ちょっときつすぎる感じ、私の体重は現在57キロていど。

ジャックのボクサーパンツにサポーターを重ねてみました
家族全員で笑いながらパンツにサポーターをつけて撮影

 さて、サポーター装着。注意書きに「腹部が膨らんだ状態では装着しないように」とあります。現在の私の状態は大きめのゆで卵の半分程度まで大きくなっています。寝ているときは埋没(普通の状態)していますので、朝起きて、膨らんできたものを、装着する前に3分ほど横になっていて、“へこんだな”と確認した時に、横になったまま、下着の上から(細かいことを言うようですが、下着=パンツはブリーフ型はベルトが直接肌に接触して、傷つけるといけないので、ボクサーパンツ型を勧めています)、お尻持ち上げて、ベルトずり挙げるのです。言葉で書くとこんなですが、なかなか難しいものがあります。朝早いのでユフィは寝ていますが、いくら女房といっても、とても見せられたものではありません。

さて、表現の難しい、ご使用感
 着用初日レポート。どれが正しい装着かは、答えがありません。自分と、膨らみが納得してくれればいい、ということ。
 手早くいうと、海水パンツはいたままズボンはいたよう。でも、チリチリ痛みは今のところあまりなし。説明が遅くなりましたが、この「チリチリ痛む」の原因は、恥ずかしいけど言わなきゃ判ってもらえないので言いますが、そけい部が膨らむと、その部分の恥毛が攣れて(多分、引っ張られて)痛むのではないか、それ以外は考えられないのです。
 現在の症状から言うと、作業している間はサポーターがないと、力むと痛むので、はずせません。ただ、下腹全体が締め付けられているので、快適な環境とは言えません。
 二番の問題はおしっこ。前は開いているのであまり影響はないのですが、どうもソケイ部を締め付けているので、尿意があまり感じられません。何度か装着して判ったのですが、多分、膀胱がいっぱいになってくると、膨らみが増してきて、痛みが感じられる。それ、おしっこタイム。といった様子。
 一番の問題は、便意。よりによって、初日。緊張していたせいか、午前中一回、午後2回もトイレに。なにしろ、膨らんだ状態で装着するなっていうんですから。終わった後で、仕方ない、足いっぱいにトイレの扉に伸ばして、背中便座の蓋にもたせかけて、どうにか埋没確認して、何とか装着。こりゃ、早いとこ手術にもっていかなきゃ。

 以上、現況。何とか職場で何日かの休みが取れそうな環境も整ってきたので、手術の準備にかかりました。前述の医院の先生は大学か総合病院へ、と言われていたのですが、いろいろ調べてみると、腸ヘルニアの手術は手術の中でも比較的簡単なものなので、大学病院などでは、研修医などに腕試しにやらせる、なんて記述もあったので、ご遠慮することに。
 都内に専門のクリニックが検索で見つかったので、まずは初診の予約。
 ところが、混んでいます。初診予約は電話した日から三週間あまり。12月中旬。検診の結果で新しいことがわかったら、またこの欄で紹介します。今回はここまで。もちろん、手術の様子も、恥も外聞もなく紹介します。
 最後になりましたが、ソケイ部は漢字だと『鼠径』と書きます。
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