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ソチオリンピック/フィギュア女子華やかに厳しい戦いのファッション

金メダルは青い衣装ではなかった

ともかくも、終わったソチオリンピックの女子フィギュア。
日本中のフィギュアスケートファンは、涙なしには観られない戦いになってしまった。
前評判の高かった韓国のキム・ヨナは、銀メダルで満足そう?

強い女性だよね、生活などに苦労したらしいから、お嬢さん育ちの他の選手とはやっぱり違うのか?
ほんわかムードなど一切無いから、個性も際立っていて、今回の衣装もすごいの一言。
真央選手に比べたら、正反対の『強い個性的な女性』だ。

何しろ、次期オリンピック開催国の全権を背負って、重圧感は真央選手よりもかなり大変なものだろうに、平然と淡々と演技に集中できる度胸は半端ではない。
ロシアの全国民を相手に回しての銀メダル、色々と噂はあっても「勝ちは勝ち」なのだ。

日本選手の惨敗は、初めから決まっていた感もあるソチオリンピック。
真央選手の金メダルを信じていたのは、日本だけだったみたいだし、まさかその重圧に押しつぶされてしまうとは…。
ま、ファッションの話なのに、ついつい愚痴が出てしまって失礼、でも言わないと胸に溜まりそうで苦しいから。

さて、順番に金銀銅の選手のファッションを見ていくことにする。
なにしろ、真央選手が16位に沈んだと知ってからは、全くテレビは観なかったので(白内障の手術もあったし)、21日に大急ぎでテレビを観たり、サイトをリサーチしたりの慌しい記事になってしまった。

表彰台の写真が、とっても暗い印象なのだが、フリーの選手達には黒っぽい衣装が多かったようにも感じる。
1位のソトニコフがグレイ、2位のキム・ヨナが黒と紫が基調、3位のコストナーが黒とグレイ。
次のオリンピックのフィギュアの衣装は、黒とグレイが『勝つための色』になるかも知れない。


ソチ冬季五輪、フィギュアスケート女子シングル・フリースケーティング(FS)。
表彰式に臨む(左から)銀メダルの金妍児(Yu-Na Kim)、金メダルのアデリナ・ソトニコワ(Adelina Sotnikova)、銅メダルのカロリーナ・コストナー(Carolina Kostner、2014年2月20日撮影)。(c)AFP/YURI KADOBNOV


ロシアの17歳・ソトニコフ、ショートプログラムでは、朱色の衣装でロシアの声援を背に堂々と演技。
天才少女と言われた彼女は、同国の15歳ユリア・リプニツカヤに遅れを取っていたが、先輩としての意地を見せたということか。
ショート・フリー共に肩を出したシンプルな衣装で、17歳と言う少女らしさは全く見られないのも対照的。
衣装で勝負ではなく、実力で戦う気構えが見られる?


女子SPで2位につけたアデリナ・ソトニコワ
ロシア・ソチのアイスベルク・パレスで2014年2月19日、貝塚太一撮影

ショートの赤に近いオレンジの衣装は、スリップスタイルで右下部分が円形の穴あきを散らした面白いデザイン。
曲が「カルメン」ということで、大人の女性の雰囲気を取り入れたのだろうが、穴あきで若さを表現しているのかな?
ラストのスピンが個性的だったとか、やはり17歳でオリンピック金メダルを取るほどの天才ということなのだろう。


女子フリーで表情豊かに演技するアデリナ・ソトニコワ
ロシア・ソチのアイスベルク・パレスで2014年2月20日、貝塚太一撮影

そして、フリーの衣装は、グレーに燻し金のライン模様を配した両肩を出したシンプルなデザイン。
色合いもデザインも、17歳の彼女には落ち着き過ぎている印象もあり、ハイセンスな衣装だ。
派手さがない代わり、じっくりと競技に取り組む姿勢が見えるということかも知れない。


銀メダルの韓国のキム・ヨナは、ショートは1位で発進した。
ピエロを表現した曲に乗った流れの良い演技で、黄色?辛子色?金色にも見える衣装は、透け感のある長袖で鮮やか。
写真で見るよりは、身頃の銀色の模様が落ち着いていて、全体的には違和感はない。


女子SPで首位に立った金妍児
ロシア・ソチのアイスベルク・パレスで2014年2月19日、貝塚太一撮影

フリーのタンゴの曲の衣装はかなり個性的で、右半身以上が黒、残りの左側は紫という個性的な組み合わせ。
ショート同様にハイネックで長袖、肌の露出は背中部分を大きく見せているだけなので、後姿がかなり艶かしい。
左半身の黒と紫を分けて、大柄な連続の花模様が銀のストーンなどで飾られている。
小さな黒いピアスが、大人の女性を感じさせているし、切なそうな表情が彼女の大人のムードにはぴったりだ。


ソチ冬季五輪、フィギュアスケート女子シングル・フリースケーティング(FS)
演技に臨む金妍児(Yu-Na Kim、2014年2月20日撮影)。(c)AFP/DAMIEN MEYER


イタリアのコストナー選手は、ショートの衣装は、清楚なイメージの白で円形に広がるスカートが印象的。
胸元を深くVカットにして、白地に銀の模様が『雪のイメージ』のようだ。
曲は「エレンの歌・アヴェ・マリア」なので、清浄なイメージを重ねているのだろう。
彼女は長身で大柄、よく言えば個性的、悪く言えば下がり目で出っ歯気味の容貌なので、衣装はシンプルなものが似合うと思う。


女子SP、3位につけたカロリナ・コストナー
ロシア・ソチのアイスベルク・パレスで2014年2月19日、貝塚太一撮影

フリーは、耳なじみの良い『ボレロ』の曲に乗っての優雅な演技。
ショートと一転した衣装は、ブラックの透け感のある生地と濃い黒のコンビネーション。
ハイネックで長袖は、長身の彼女をエレガントに見せているかも…。


コストナーのフリーの演技
20日、ソチ(大里直也撮影)

よく見てみると、ハイネックや胸元の濃い黒のデザイン部分の周りは、細かな銀色に光るラインストーンが放射状に並べられていて、、非常に凝ったデザインだ。
彼女も大人の印象を高めるために、背中は大きく開けられていて、色白の肌がキム・ヨナと同様に大人の艶を高めている
そんなムードの中で、大人の雰囲気を感じさせつつ「ボレロの曲想」を高めていった…。

表彰台では、銀銅のメダルの大人の二人が、若い17歳を挟む形で並んだ。
後ろから見た場合、黒基調の二人の背中は大きく露出されていたから、綺麗な肌を楽しめたのかも…。
ちょっと変な見方?


さて、他にもたくさん書きたい選手は居るのだが、団対戦で真央を脅かした15歳のリプニツカヤ。
ショートプログラムでのブルーの衣装は、紺の薄い生地と青から水色のグラデーションで、金候補の青い衣装だ。
残念ながら、ジャンプの転倒が響いてしまったが…。
フリーの赤い上着風の衣装は、民話風な話の中の少女のイメージで、小柄で可憐な彼女にはぴったり。
成長したら、すごい選手になるかもしれない。


女子SP ユリア・リプニツカヤ
19日、ロシア・ソチのアイスベルク・パレス(大里直也撮影)

ソチ冬季五輪、フィギュアスケート女子シングル・フリースケーティング(FS)
演技に臨むユリア・リプニツカヤ(Julia Lipnitskaia、2014年2月20日撮影)
(c)AFP/DAMIEN MEYER


アメリカのグレーシー・ゴールドも、その名前通りに「金」かと嘱望された1人。
ショートの衣装は、深紅と赤のコンビで、赤い爪が際立っていてとても美しい。
偶然なのか、リプニツカヤとショートとフリーの逆バージョンで、赤と青の競演になっている。
フリーでは、金髪に水色のグラデーションと銀の清楚な衣装が映えて、まるでシンデレラ姫のようで美しい。
衣装と着る人の相性がぴったりの良い例だと思う。


ソチ冬季五輪、フィギュアスケート女子シングル・ショートプログラム(SP)
演技に臨むグレイシー・ゴールド(Gracie Gold、2014年2月19日撮影)
(c)AFP/YURI KADOBNOV

ソチ冬季五輪、フィギュアスケート女子シングル・フリースケーティング(FS)
演技に臨むグレイシー・ゴールド(Gracie Gold、2014年2月20日撮影)
(c)AFP/DAMIEN MEYER


最後に日本の選手達、今シーズン最後に引退を決めている二人。
浅田真央選手と鈴木明子選手、二人共に思うような演技ができなかったショートから這い上がってきた。
特に真央選手は、すみれ色のショートの衣装が「儚く寂しげ」で、気持ちの抜けた表情と身体にぴったりだったのが印象的。


ソチ五輪・フィギュアスケートの女子ショートプログラム(SP)で演技する浅田真央(2014年02月19日)
【時事通信社】

16位は絶望の位置だったのだから、一夜明けての10人抜きの上昇は、なんとも言いようのない快挙。
真央選手のことだから、「このまま崩れ去ってしまっては、今まで励まし続けてくれた方達に、言い訳も何もできない」と思ったのだろう。
見事に、『6種類/トリプル8回チャレンジ』を成功させた力は、何処に眠っていたのか。

フリーの衣装は、最初のものをアレンジし直したものらしい。
「飾りが多過ぎて重くて動き難かった」とのこと、そりゃ、動きにくくてはフィギュアの衣装としては失格。
デザイン的には、殆どが前のままのように見えるが、胴部分の飾りが少なくなり、背中の飾りは肩近くまで長く細くくねって伸びている。
片手に巻いていた飾りが、両手首シンプルになって付いている。


女子フリーで華麗に演技する浅田真央
ロシア・ソチのアイスベルク・パレスで2014年2月20日、貝塚太一撮影

ソチ五輪のフィギュアスケート女子フリーで演技する浅田真央(2014年02月20日)
【時事通信社】

【比較画像/2013年最初に着たときの衣装】

演技する浅田真央
さいたまスーパーアリーナ
(古厩正樹撮影)

女子フリーで演技する浅田真央
現地時間20日、米国デトロイト
「ジョー・ルイス・アリーナ」(古厩正樹撮影)

両方を比べてみると、始めの衣装が重たい印象があり、羽に軽やかさがなく直線的で、重厚なイメージになっている。
作り直した新しい衣装では、紺の濃いチュチュの薄地の羽がジャンプの度に舞い上がり、軽やかで美しかった
口紅は衣装に合わせた紅色で、前回までの紺の衣装では真っ赤なマニキュアを塗っていたが、今回はマニキュアはしていない。


フィギュアスケート女子FS、演技を終え涙を見せる浅田真央
20日、ロシア・ソチのアイスベルク・パレス(大里直也撮影)

チュチュの羽を震わせて、舞い終わった真央選手は「やれた!」の感情が爆発してのこみ上げる涙に。
そして、両手を振って観客席に笑顔を送る。
142.71の自己ベストをマーク、いつものショートの評価と合わせれば200点は軽く越えたのに、後の祭りで何を言っても仕方のないこと。


そして、最年長の鈴木明子選手は、ショートは珍しい紅色の衣装で、フリーは「オペラ座の怪人」の中のヒロインを演じるための真っ白い清楚なものを着用。
両方共に、曲想に合わせたデザインなのだが、赤のシンプルな衣装は彼女には似合っているかどうか?
フリーのシンプルな衣装のトップには、薄い色のラインストーンなどでびっしりと花模様が施されていて、パールのピアスと共に清純な乙女・クリスティーヌを表現していて、終わりの恥じらいを含んだ表情が素晴らしかった。


女子SPで表情豊かに演技する鈴木明子
ロシア・ソチのアイスベルク・パレスで2014年2月19日、貝塚太一撮影

女子フリーの演技を終え、笑顔を見せる鈴木明子
2大会連続の8位入賞を果たした=ソチ(共同)


年上の鈴木選手とは反対に、若くて元気の良い村上選手は、「大人の女性」にチャレンジ。
個性的な衣装で登場、衣装負けしたのかも知れない。
要するに似合うかどうかの前に、「衣装で力をもらおう」としていなかったか?
ユフィにはそう思えたのだが…。
衣装一つだけれど、それでも衣装の持つ力は「馬鹿にできない」ことの一つの証明。


女子SPで華麗に演技する村上佳菜子
ロシア・ソチのアイスベルク・パレスで2014年2月19日、貝塚太一撮影

フィギュアスケート女子フリーの演技を終え笑顔で歓声に応える村上佳菜子
ロシア・ソチのアイスベルク・パレスで2014年2月20日


さて、一夜明けての日本中は「真央ちゃんフィーバー」状態。
ジャック曰く、「新聞もテレビも真央選手の金メダルの為に空けておいたのだから…」とのこと。
フリー演技を何回、あちこちのテレビで見たか分らないくらい。

感激の涙は、日本だけでなく世界中に広がっているらしい。
むしろ金メダル獲得よりも、感動的な展開に広がりを見せている様子。
NHKの生放送で、「世界選手権でショート・フリー共に最高のものにしたい」と語った。

新聞では、真央選手に関わった3人のコーチについての詳細も載っていた。
最初のコーチ・山田満知子さんは現在は村上佳菜子選手のコーチで、一緒にリンク脇に居たと思う。
08年からコーチとして、また振り付けを担当したロシアのタラソワ・コーチは、客席で見ていたらしい。

そして、最後に母親に頼まれフィギュアの技術見直しに関わった佐藤信夫コーチ。
リンク近くで、厳しい表情で見守っていた。
トリプルアクセスにこだわる真央選手が、自ら望んでの『6種8回トリプル』作戦は、佐藤コーチも望んでいた形だったという。
ぶつかり合いの絶えなかったコーチと選手の納得の作戦が、実際に実る瞬間はどのようなものだったのだろう。

振り付けや衣装のデザインをしたタラソワ・コーチは、客席で早くから立ち上がり、涙を流していたとか。
すぐ近くで見ていたろう山田コーチも、万感溢れる想いだったのではないか。
そして、「休め」と言う指示を聞かない真央選手にてこずった佐藤コーチの感慨は、その無表情の奥に安心感が見て取れなかったか?
真央選手と抱き合う佐藤コーチの姿は、ユフィは初めて見たと思うから…。

ありがとう! 浅田真央選手。
フリー当日の朝の佐藤コーチの叱咤、「点数にしたら、ショートプログラムは70点、フリーのプログラムは140点。まだ1/3しか終わっていない」の言葉通りに、真央の人生の大半はこれから始まるのだ。
『お疲れ様』とは言わない。
「新しい人生の出発に、遅い・早いはない」と、自らが示したのだから…。


【サーヤの一言】
やはり女子は衣装が華やかでファッションショーのような一面もあって鑑賞が楽しいね。
今回は青い衣装が優勝するというジンクスは破れたように見えるが、ソトニコワ選手のグレー衣装は青に見えなくもない…か?
しかし、フリーで最も高難度のプログラムを演じきり、世界中の人々を感動させ、本人も感涙した真央選手の衣装は、やっぱり青。ある意味ではジンクスは続いていたのかもしれない。(採点には大いに疑問があるが、間違いなくフリーで一番だったのは真央選手)

ロシア娘たちの衣装は独特的かつ個性的で、やっぱりバレエ大国、とてもオシャレだった。奇抜ではなく、イケてるね!と思えるものばかり。
真央選手の衣装も「!?」なものは数多くあったが、今回の青い衣装は華やかで美しかった。紺と青の重厚な別衣装も良かったが、やはり今回の方が色々な要素が込められている感じで青と白のリンクによく映えていた。

…実を言うと、このサイトでフィギュア衣装の記事を載せるようになってから、そのページへ訪れてくる方々の検索キーワードは「浅田真央 衣装 デザイン 
」が多いのだが…「胸」…やはり皆さん、気になるんですか?(笑)
大変失礼なことを申し上げますが、真央選手は胸が…衣装によっては寂しさが強調されてしまうので、「あぁーそんなデザインだと、胸が…もっと膨らみあるようにしないと…」とか思ってしまうんです。
で、今回の青い衣装は、胸に膨らみがあるのであれ?と思った。もしかしたら、肩の部分が薄い肌色生地で、胴体の青い衣装は重みがあるだろうなので、デザイン的に上手い具合に胸のあたりに緩みが出てきて胸がふっくらと出ているように見えたのでは…と、ユフィ母の前で言ってみたら笑って「それを書け」と言われたので、ここに書いてみた(笑)…失礼しました(土下座)。

3月の世界選手権でも、ぜひこの衣装で着て欲しい!がんばれ、真央ちゃん!



フィギュアスケート衣装の記事はこちらにも書いています。
 2013 フィギュアスケートのファッション/浅田真央
 2013 フィギュアスケート日本男子の衣装に思う
 ソチオリンピック/フィギュアの男子ファッション
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