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ソチオリンピック/エキシビション衣装あれこれ

日本は 金メダリストと招待選手としての出場

まだ余韻の残っている内に、「書け、書け」とサーヤがうるさい。
ペアやアイスダンスの選手の滑りは、あまり注意して観てはいなかったから、シングル・フィギュアのみになった。
日本のフィギュア界が、世界的に遅れている原因も「シングルのみ」の傾向にあるらしいから、やま玉の母娘は典型的な代表だ。

さて、まずは金メダルの方々の写真から入る。
出演順では最後になるのだが、敬意を表してトップを飾ってもらおう。
ペアとダンスの女性の衣装と、男性の衣装が「違うよなぁ」の良い例が早速出ている。


ソチ冬季五輪、フィギュアスケートのエキシビションを終えてポーズをとる
(左から)メリル・デイビス(Meryl Davis)/チャーリー・ホワイト(Charlie White)組
羽生結弦(Yuzuru Hanyu)、アデリナ・ソトニコワ(Adelina Sotnikova)
タチアナ・ボロソジャー(Tatiana Volosozhar)/マキシム・トランコフ(Maxim Trankov)組
(2014年2月22日撮影)。(c)AFP/ADRIAN DENNIS

女性は素敵な踊るための衣装なのに、男性が非常にラフな服装というのが多かったように思える。
この写真、バランスよく左右がシンプルで女性は白い衣装だから、真ん中の若い金メダリストが目立っちゃった。
羽生君とアデリナ・ソトニコワが、とってもしつっこくてうるさい印象になっている。
若さと円熟の差なのかなぁ。

ペアとダンスでは、女性が華やかで男性はラフ・シンプルな衣装の多い中で、二人共に調和して揃えていた組もあって、楽しめたことは確か。
日本のペアやダンスでは、『頑張っているね』と言う印象が強いから、まだまだ相当先の話だろうな。
団体戦は絶対に不利だし、歳を重ねた円熟の演技には、競技歴史の長い欧州にはかなわない。


出演順は無視しての、逆の順位順で書いていこう。
まずは、金メダルの羽生選手の『白鳥の湖』から…。
白鳥と言うよりも、黒鳥のイメージの強い衣装だ。
だって、右側の白いイメージが、左側の黒いイメージに負けているのだから…。


エキシビションで演技する羽生結弦
22日、ソチ(大里直也撮影)

紫の彩(いろどり)が効いてはいるが、ユフィ個人としては「紫はいらなかったのでは? 銀が良かったかも」と思った。
ここでのいつものペンダントとネックレスは、とても似合っていて雰囲気は良い。
黒のベロア素材のパンツが、長い脚を際立たせていて動きも美しかったのだが…。


銀のパトリック・チャン選手、シンプルでプレーンな白いシャツスタイル。
パンツも黒でまとめていて、大人の男の印象が強い。
羽生選手とは全くの反対。


ソチ冬季五輪、フィギュアスケート・エキシビションの演技に臨むパトリック・チャン
(Patrick Chan、2014年2月22日撮影)。(c)AFP/YURI KADOBNOV


面白かったのは、銅メダルのデニス・デン選手の衣装だ。
多分カザフスタンの伝統衣装なのだろうが、顔立ちやスタイルには似合っていてもセンス的には疑問。
ここまで伝統的にするのなら、イメージとしては青の個性的な模様に合わせて、青いパンツのほうが良くはなかったか?


ソチ冬季五輪、フィギュアスケート・エキシビションの演技に臨むデニス・テン
(Denis Ten、2014年2月22日撮影)。(c)AFP/ADRIAN DENNIS


衣装も滑りも両方楽しめたのが、ジャンプの飛びすぎの失敗で4位になってしまったハビエル・フェルナンデス選手。
昔風のアメリカ青年スタイルから、早替わりでの「スーパーマン風衣装」に変わって、場内を沸かせた。
動きも早くコミカルで、「これぞパフォーマンス」の演技、とても楽しかったし大満足。


ソチ冬季五輪、フィギュアスケート・エキシビションの演技に臨むハビエル・フェルナンデス
(Javier Fernandez、2014年2月22日撮影)。(c)AFP/JOHN MACDOUGALL


5位の町田樹選手は、「もしかしたらこれが地?」という雰囲気のスタイルで、黒メガネのごく普通の青年スタイルで登場。
白にストライプのワイシャツと、アーガイル模様のベストにネクタイ、グレイのズボン。
曲名の「ロック」の中で、エアギターを奏でる演技も決まっていて、「火の鳥」とは別人のよう。
ヘアスタイルも気にならないし、この路線が合っているのかも、と思っていたらフィナーレには白い衣装に替えていたけれど。


フィギュアスケート エキシビション 町田樹
22日、ロシア・ソチのアイスベルク・パレス(大里直也撮影)


そして、最後に6位の招待選手・高橋大輔の衣装は、サーヤ曰く、「すっごくシンプル」とのこと。
曲名は「ブエノスアイレスの春」という、タンゴの名曲。
タンゴとは、「女性をより魅力的に見せる男性上位の曲」だそうだ。


フィギュアスケート エキシビション 高橋大輔
22日、ロシア・ソチのアイスベルク・パレス(大里直也撮影)

だから女性より目立つ衣装は着用しないのだろう。
薄いブルーグレイのシャツには、銀色の光る飾りが散っているだけ。
ただし、手首のカフスにまで飾りが散っていて、凝り性の高橋選手らしいとは思ったけれど…。

もちろん演技も最高のダンスで、まるで相手の女性が見えるようだった。
そして、アップで気づいた薄く延ばした顎ひげ。
シンプルな衣装なら、顎ひげはオッケーかもしれないけれど、凝った衣装ではくどく見えるからやめたほうが…。


女性の金メダリスト、ソトニコワ選手にはビックリした。
ショート・フリーでのハイセンスな衣装とは、かけ離れた『奇抜な衣装と小道具」だったから。
エキシビジョン用なのでハデハデなのか、曲が衣装のような個性的なものなのか。


ソチ冬季五輪、フィギュアスケート・エキシビションの演技に臨むアデリナ・ソトニコワ
(Adelina Sotnikova、2014年2月22日撮影)。(c)AFP/JOHN MACDOUGALL

蛍光色の強いグリーンがかった黄色が、日本人には馴染めないのだ。
しかもその色の大きな旗を持っての演技、きっとロシアの伝統的なものなのだろうけれど、誰も説明はしてくれなかったし…。
生き生きとして楽しそうだったから、17歳の少女の雰囲気はたっぷりだった。


銀メダルのキム・ヨナ選手、国では「採点に問題あり」の署名運動で大変らしい。
だがその衣装は、貫禄の雰囲気も感じさせる美しいものだった。
ネックからスカートまで、濃いブルーからホワイトへのグラデーションでまとめていて、ひるがえる白いスカートは幾重にも重なっている。
大人の女性の美しさが溢れていて、馴染みの曲「イマジン」でのなめらかな滑りと共に、確かに記憶に残った。


ソチ冬季五輪、フィギュアスケート・エキシビションの演技に臨む金妍児
(Yu-Na Kim、キム・ヨナ、2014年2月22日撮影)。(c)AFP/JOHN MACDOUGALL


そして、銅メダリストのコストナー選手は、とっても残念の一言。
全く似合っていないオリエンタル風な衣装で、大柄で個性的な容姿が逆に働いてしまっていた。
曲は多分「シェヘラザート?」だろうけれど、ものすごく目だっていたのに、決してお声は掛からないだろう後宮の女風で…。
ただ、フィナーレでの彼女は、とてもシンプルな薄紫の衣装で美しかったから、大人のデザインが似合う人なのだと思う。


ソチ冬季五輪、フィギュアスケート・エキシビションの演技に臨むカロリーナ・コストナー
(Carolina Kostner、2014年2月22日撮影)。(c)AFP/ADRIAN DENNIS


4位のアメリカのグレイシー・ゴールド選手は、露出が艶かしい黒の衣装に帽子と手袋で、ものすごく魅力的
男性ならずとも、女性をも惹き付ける美しさと迫力に溢れていた。
白い肌に黒の際立っていること、銀のアクセサリーと金髪が調和して、真っ赤なルージュがアクセントになっている。


ソチ冬季五輪、フィギュアスケート・エキシビションの演技に臨むグレイシー・ゴールド
(Gracie Gold、2014年2月22日撮影)。(c)AFP/JOHN MACDOUGALL


15歳のロシアのユリア・リプニツカヤの体の柔らかさには、驚くしかない。
真っ赤な衣装と手袋は、小柄な体を生き生きと見せていて、愛らしさでは一番だ。
すっかり15歳の少女に戻っていて、エキシビジョンを楽しんでいたみたい。


フィギュアスケート エキシビション ユリア・リプニツカヤ
22日、ロシア・ソチのアイスベルク・パレス(大里直也撮影)


そして最後に、浅田真央選手の『スマイル』の演技。
サーヤがお気に入りのゴールドのジャージーのシンプルなドレスは、23歳の彼女のありのままを表現している。
穏やかな笑みを浮かべて、楽しんで滑っている真央選手からは、試合中の気負いも落胆も歓喜も感じられない。
純粋に楽しく滑ることを喜んでいるのだろう。


フィギュアスケート エキシビション 浅田真央
22日、ロシア・ソチのアイスベルク・パレス(大里直也撮影)


フィナーレでの男女の組み合わせが、ネット上で騒がれていたが、同位の組み合わせで落ち着いたようだ。
金メダルの羽生とソトニコワは、衣装のうるさい同士だが、年齢的にはぴったりだ。
銀メダルのパトリックとキム・ヨナは、落ち着いた大人同士で、衣装もよく似合っている。

銅メダルのデニス・デンとコストナーは、ネットにも書き込みがあったが、弟とお姉さんタイプで、コストナーが着替えたから、凄まじい衣装の組み合わせは回避された(観たかった気もするが…)。

4位のスペインのフェルナンデスとアメリカのゴールドは、演技がアメリカンな組み合わせで、気持ち的にはぴったりだったろう。
5位の町田とリプニツカヤが話題の的、ミステリアスだとか面白そうとか、皆勝手に言い合っていたが、白と赤で相性は悪くなかったかもしれない。

6位同士で、お馴染の高橋選手と真央選手の組み合わせは、今までも見てきているから新鮮味はない。
でも、二人共にすっかり大人になってしまっているのに親しさが溢れていて、落ち着いた様子の中にも笑顔が絶えない。

このエキシビジョン開催のロシア・ソチのアイスベルク・パレスでは、登場選手の国旗に合わせて光のスクリーンが変化する。
その長いスクリーンの真ん中から、各選手が登場してくる演出が面白かった。
ただ、欧米などの国旗はとても似合っているが、日本と韓国の国旗がなんだか今ひとつ素敵じゃない。

国旗の間から、シンプルな衣装で出てくると盛り上がるけれど、白地に赤い丸の間から登場の羽生選手の衣装って、う~ん?
なんだか今ひとつ、という感じがしたのはユフィだけ?

フィナーレの終わりには、次回五輪開催の韓国の国旗の前に、キム・ヨナ選手が立っての挨拶もあった。


【サーヤの一言】
本来、オリンピックのエキシビションには5位までしか出場しないが、特別枠もしくは推薦枠として6位の高橋選手と真央選手が招待されたようでホッとした。二人は常に表彰台にいたからエキシビションに存在しないと違和感があってしようがなかった。
知名度もあるが、今回は転倒が多かった男性陣で転倒がなかった(4回転が回転不足だっただけ)高橋選手は見事に演じきったと思うし、前人未到の6種×8回トリプルを完璧に達成させた真央選手への功労賞のようなものがあったかも…とサーヤは勝手に思っている。

エキシビションが一番選手たちの個性が出ており、持ち味を最大限に生かしてくれているので、競技よりこちらを観るのが一番楽しい。
羽入選手は相変わらず衣装がすごいわー…プルシェンコ選手とジョニー・ウィアー選手を尊敬しているというので、確かにその影響は見られている。髪型はプルシェンコ選手を真似ているとのことで、なるほど。でも、そろそろ卒業して少し長めに伸ばしてみて欲しい。

美人はお得だ…と思ったのが、グレイシー・ゴールド選手。本当に金髪の美女なので、どんな衣装も似合うしステキ。ディズニーのプリセンスも見事に扮装できそう。

高橋選手、別記事での衣装の歴史を見ると、近年はとてもシンプルに落ち着いてきて、代わりに細かいところに凝るようになってきたね。好みでも変わったのでしょうか、スタイリストの好みか?

真央選手のゴールド衣装は今までの中で一番大人っぽく、色っぽいので着て登場するとドキドキしちゃう。身体にフィットしているし、一見肌色なので、ヌー…いやいや失礼、とにかく今までには見られなかったものなので新鮮なのです。
思うに、真央選手は競技の衣装より、これまでの歴史からしてエキシビションの方がよく似合っていて映えるので、ぜひプロ入りしてアイスショーで楽しませて欲しい。



フィギュアスケート衣装の記事はこちらにも書いています。
 2013 フィギュアスケートのファッション/浅田真央
 2013 フィギュアスケート日本男子の衣装に思う
 ソチオリンピック/フィギュアの男子ファッション
 ソチオリンピック/フィギュア女子華やかに厳しい戦いのファッション
 フィギュアスケート/高橋大輔のファッション歴史
 フィギュアスケート/浅田真央 闘う衣装のいろいろ
 フィギュアスケート/浅田真央 エキシビジョン衣装
 浅田真央23年の軌跡展 なんと素晴らしい展示の数々
 羽生選手 15~16年のシリーズの衣装は フェミニンじゃあない
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当サイト「娯楽室」-「スポーツ」にこちらも書いています。
 ソチオリンピック フィギュアスケートに物申す
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